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2010年8月27日 (金)

ドラッカーとカントに学ぶ「実践」という言葉の意味

「実践」という言葉がよく使われる。

大抵、それは法則や理論を現実に応用することを意味している。これが通俗的解釈だ。

しかし、カントの「実践理性」やドラッカーのいう「実践」はそれとは意味が異なるのだ。

「実践」というのは、「理論」つまり因果法則を現実に応用して行動することを意味するのではなく (これだと消極的で受動的な行動になる。動物的、機械論的でもある。理論理性の応用にすぎない)。

自由意志に基づいて自由を行使し現実を変革する行動のことをいうのだ。つまり、刺激反応的な受動的行動ではなく、自らはじめる行動であり、能動的で、その行動の原因が唯一自分にある人間的な行動なのだ。これが「実践」(実践理理性)の意味だ。

カントは、「自由意志に関わるすべての行動を実践的と呼ぶ」と言っている。

ドラッカーは、マネジメントの実践として以下の言葉を述べているのだ。

「マネジメントは、科学や専門職業の要素は含んではいても、そのいずれでもなく、あくまでも実践である。」

「マネジメントの働きは、受動的な反応や適応にどとまらない。マネジメントには新しい経済をつくる責任がある。その経済の中にあって、変化を計画し、その実現を先頭に立ち、担い手となる責任がある」

「マネジメントは、・・・経済を自らつくるものである」

「意識的かつ目的的な行動によってその環境を変えるかぎりにおいて、真にマネジメントをしているといえる」

これが、「実践」という言葉の意味である。

「実践」を「理論の応用」と理解すると、自由主義者の代表であるカントもドラッカーも泣きそうだ。人間はいないのかと。

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