渡邊著『ドラッカーと松下幸之助』
先日、PHPの渡邊さんから『ドラッカーと松下幸之助』というphpビジネス新書をいただいた。
私は、秋に慶応の丸の内キャンパスKMMCで、ドラッカーの講座を開くので、ドラッカーに関する本にはさっと目を通すようにしている。私の印象では、最近のドラッカーに関する本は、ブームに乗っかり、ほんどんどドラッカーと関係ないものが多いという印象だ。
ときどき、これがドッラカーの経営学とどこが関係あるのかというひどいものある。表紙がドラッカーーで中身が全く関係ないものも多い。応用することばかりに目を奪われて、ドラッカーの原理部分がほとんどないのだ。
「イノベーション」、「顧客の創造」、「事業部部制」、「目標による管理」これらの言葉に関係すると、なんでもドラッカーというわけだ。やはり、何事も原理・原則は重要だ。そうでないと、もう来年はドラッカーなど忘れているだろう。
私の講座では、まじめにドラッカーの経営哲学を議論したいので、役に立つ本が少ないのだ。みんな商売がうまいという感じがする。見事だ。
こうした思いもあって、渡邊さんの新書『ドラッカーと松下幸之助』を読んだが、久しぶりにまともな本と出ったという感じがした。丁寧にドッラカーのことが書かれていて、非常に参考になった。さらに、松下幸之助についても学べるので、お得だ。
興味深いのは、ドラッカーの日本人論、日本的経営論についてのコメントだ。私も、光文社新書でドラッカーについて書く予定であるが、ぜひ参考にさせてもらおうと思う。
関心のある人はぜひご参加ください。
慶應MCC夕学プレミアム『agora』(アゴラ)
http://www.sekigaku-agora.net/
http://www.sekigaku-agora.net/course/kikuzawa_kensyu2010.html
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