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2010年7月

2010年7月24日 (土)

ドラッカー講座のお知らせードラッカー経営学の本質

 試験期間に入り、やっと少し自由な時間が取れるようになった。その間、いろんな人に会っていろいろと話す機会が持てた。NHKの若きディレクター、出版社の人。大変、勉強になった。

●さて、いまは秋に特集として出版される『ダイヤモンド・ハーバード・ビジネス・レヴュー』の論文を書いている。そのために、山本七平の空気の研究をしている。つまり、空気を科学している。ほぼ内容は完成しており、後はいかにわかりやすく、印象的に書くかというテクニカルな問題を残すだけとなった。 

●また、秋に慶応丸の内キャンパス(アゴラ)で行うドッラカーの講座パンフレットも完成し、いま改めてドラッカーの本を時間のあるときに読んでいる。

慶應MCC夕学プレミアム『agora』(アゴラ)

http://www.sekigaku-agora.net/

http://www.sekigaku-agora.net/course/kikuzawa_kensyu2010.html

やはり、ドラッカーは本当に面白い。改めて感心してしまう。とくに、初期の本はいい。

『経済人の終わり』『産業人の未来』『現代の経営』などの初期の本は本当にすばらしい。読み応えがある。また、ドラッカーの読書量や教養に驚かされる。さすがに、ヴィーン生まれ。哲学を知っている。政治哲学を知っているのだ。

私は、前期には中央大学経済学部で、また日大でも教えていたのだが、授業が終わってから、学生に質問されたことがある。「ドッラカーについて知りたいと思い、自分で読んでみたがわからないので、易しく理解できる解説書はないですか?」という質問だった。

いま、ダイヤモンド社のAKBA系のドラッカーの本が売れており、ドラッカーの本は易しいイメージがあるかもしれない。しかし、それは間違いだ。とくに、上記の初期の作品は重いし、ドラッカーの教養で満ち溢れている。ドキドキする言葉がいっぱいでてくる。

とくに、『産業人の未来』は「自由」という言葉であふれている。素晴らしい本だ。この本が書かれたのは、いまだ第二次大戦中であり、ファシズム全体主義のナチスドイツが崩壊まじかの時期である。

 ナチスによって「自由」を奪われた故郷ヨーロッパを思いながら、ニューヨークで書いた彼の以下の文章には感動せざるをえない。

●「来るべき平和の時代は産業社会である」

●「この本で取り上げるテーマは一つしかない。すなわち、いかにして産業社会を自由社会として構築するかである」

●「私は来るべき産業社会がどのような社会になるかを知っているふりはしない。私はただ、いかにすれば、自由な社会としての産業社会に到達することができるかを提示したいだけである」

●「ファシズム全体主義に勝つには、・・・・・その社会は自由な社会でなければならない」

by P.F.ドラッカー

●この自由社会の形成の担い手は、他でもなく経営者なのだ!

●これがドラッカー経営学の本質だ!

by 菊澤

慶應MCC夕学プレミアム『agora』(アゴラ)

でみなさんと会えることを楽しみにしています。

http://www.sekigaku-agora.net/

http://www.sekigaku-agora.net/course/kikuzawa_kensyu2010.html

2010年7月17日 (土)

連立かあるいはパーシャル連合かの取引コスト理論分析

 今回の参院選で、民主党は大敗した。今話題になっているのは、今後、どの政党と連立を組むのか、あるいは特定の政党と連立を組まずに、政策ごとにそのときどきに連合を組むかを迫られている。

 取引コスト理論からすると、前者は組織的政治システムであり、後者は市場的な政治システムだ。後者の方法は、政策中心で、一見、素晴らしいシステムに思えるが、取引コスト理論からすると、後者は非効率的になりやすく、不条理を生み出すだろう。

 つまり、政策ごとに相手を変えるということは、政策ごとに政党同士が交渉・取引する必要があり、その取引コストがあまりにも高い可能性がある。このコストが高い場合、たとえある政策を実行することが望ましく正しくても、取引コストが高くて相互に歩みよれないという不条理が起こる可能性が高いのだ。

 おそらく、政治の場合には、連立のような組織的なシステムの方が取引コストが低く、政策は実行されやすのではないかと想像できる。

 パーシャル連合、良いネーミングなのだが、経済的に非効率的な政治システムかもしれない。民主党の今後の動きを見守りたい。

2010年7月13日 (火)

日本能率協会での講演

 先週、7月8日に日本能率協会で講演した。テーマは「企業はなぜ合理的に失敗するのかー日本軍に学ぶ組織の不条理」。

 今回は、取引コスト理論だけではなく、はじめて少しだけ哲学的にドラッカーとカントを結び付けた話をした。今後は、もう少し哲学的な話をやさしくかつ分かりやすく説明してみたいと思う。

 果たして理解してもらえただろうか?少し心配だが。

 このドラッカーとカントの関係について、経営哲学学会の会報でも紹介したところ、何人かの先生から感動したというお言葉をいただき、私の方が感動した。

 秋に、慶応丸の内キャンパスのアゴラ講座で『菊澤研宗教授による「ドラッカー再発見」』という講座を開講しますので、関心のある方はぜひご参加お願いします。

http://www.sekigaku-agora.net/

沖縄部会での問題提起

 先週は、沖縄琉球大学の経営哲学学会に参加した。3人の先生の報告はいずれも水準が高く、大変、勉強になった。

 とくに、最後の大城先生の報告は沖縄人として立場を明確に打ち出し、まさに哲学的な問題を提起していた。

 衝撃的だったのは、そこで紹介されたアンケートの結果だ。私は、普段、インタヴュー・アンケートというものをあまり信じなのだが、これは興味深かった。

沖縄人のアイデンティティ 2007年の調査

Q:あなたは日本人ですか、沖縄人ですか?

私は沖縄人である(41.6%)

私は沖縄人かつ日本人である(29.7%)

私は日本人である(25.5%)(年配の人が多い)

 普天間問題に関して、沖縄の人々は戦略的に合理的にしたたかに生きてゆくのか。あるいは、沖縄人としての文化・理念を追求して行くのか。難しい問題だ。

・・・・・・・

沖縄にある青い空、青い海、治安の良さを考えると、私は個人的に、沖縄が、ハワイのように、プーケットのように、ぺナンのようになってほしい。琉球大学観光学学部長の牛窪先生、がんばってください~

 

政治家と学者

 本当に忙しくて、ブログが書けなかった。まだまだ忙しいのだが・・・・

 さて、参議院選が終わった。民主党の惨敗だ。結果はほとんど分かっていた人も多いだろう。

 選挙中から、民主党では菅・枝野VS小沢の対立がマスコミで取り上げられた。報道には誤解もあるかもしれないが、私にはその戦いが学者と政治家の戦いに見えた。

 大衆に迎合せずに、理論的に、客観的に、論理的に議論を展開するのが学者だ。これに対して、たとえ非理論的であろうが、主観的であろうが、現実的な議論を展開するのが政治家だ。

 クラウゼヴィッツがいうように、戦争は力と力の勝負であり、論理的に戦いには際限がない。論理的にあるいは理論的には、行くところまで行くのだ。しかし、実際には、手前で戦いは終わるし、停戦となる。そこには政治的な力が働くというのだ。

 今回は、消費税の話しを唐突に言いだし、マニフェストも修正できると主張し、小沢氏を大衆迎合的と主張した菅氏・枝野氏は政治家ではなく、私には学者に見えた。これに対して、マニフェストの実行にこだわった小沢氏は政治家に見えた。

 やはり、選挙中は政治家は学者というよりも政治家でなければ、選挙は勝てないのだろう。選挙が終われば学者的でも良かったのに・・・・

2010年7月 1日 (木)

国のためか、自分のためか

 昨日のワールドカップの視聴率は予想通り50%を超えた。すごい視聴率だ。

http://news.nifty.com/cs/headline/detail/jcast-69923/1.htm

 紅白歌合戦の視聴率は下がり、NHKの大河ドラマの視聴率も下がり、NHKの朝ドラの視聴率も下がり、もうおそらく戻ることはないだろう。

 それに代わって、視聴率が伸びているのはスポーツ関係だ。昨日の試合は残念だったが、日本代表は良くやったと思う。全員が目立っていたと思う。まるで甲子園の高校野球を見ているようで、今回の日本代表チームは試合に勝つたびに強くなっていった。

 しかし、もっと良かった点がある。今年の日本の選手の多くが明らかに日本を背負って戦った点だ。明らかに国を意識していた。集団主義といわれようと、全体主義といわれようと。日の丸は重いといっていた選手もいた。日本のために! これが良かった。

 私が嫌いなのは、一昔前にいた日本代表選手たちだ。日本的な全体主義は古いと思っていたのだろう。インタヴューを受けるといつも、「自分は日本や国のためにサッカーをするのではない。自分のため、自分が楽しめればいい」と答えるのだ。このような個人主義的な考えが新しいと思っていたのかもしれないが。

  しかし、これこそ古いのだ。

 私は徹底的に日本代表は日本を背負ってほしいし、国のために戦ってほしいと思う。恐ろしいプレッシャーを感じてほしい。かつて、長嶋茂雄は、こういったプレッシャーを感じること、それが楽しいんだ、プレッシャーを楽しむとさえ言っていた。これぞ本物といいたい。一流のプレイヤーなのだ。そして、そういったプレッシャーを背負ってプレイをしている選手にわれわれは感動するのだ。

 国を背負うなんて、日本を背負うなって、選ばれた人間しかできないのだ。大いに頑張ってほしい。

 

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