講演、カント、ドラッカー
来週の火曜日に奈良工業会の依頼で奈良市で講演を行う。そこで、ご要望にお応えして「組織の不条理とそこから脱出するための方法」を説明するためにカント哲学について話しをする予定だ。
また、7月にも日本能率協会の依頼で、同じように「組織の不条理とカント哲学」ついて講演する予定だ。
これは、いずれも最近注目されているハーバード大学の白熱教室の影響が少しあるのかもしれない。この講義で、カント哲学が語られているからだ。
たまたま、私が拙著『組織は合理的に失敗する』日経ビジネス人文庫の「あとがき」にカント哲学について書いていて、たくさんの人々がそれを読んでくれているのだ。もちろん、カント哲学については、光文社新書『命令違反が組織を伸ばす』でも、そして最近の『戦略の不条理』光文社新書でも書いている。
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私は、今後はこのカント哲学を経営哲学に持ち込みたいと思っている。功利主義哲学に基づく企業経営には限界があるのだ。それを認めない人間主義的であり、かつ厳しいカント哲学にもとづく経営こそ、21世紀に求められているのだ。
功利主義に基づく他律的で欲望に囚われた資本主義に打ち勝つのは、カントの人間主義的哲学に基づく自律的で自由意志にもとづく資本主義なのだ。そういったことを前から語っていたのは、ドッラカーなのだ。
これについては、秋の慶応丸の内キャンパスのアゴラの講座、「ドッラカーを読む」でお話する予定です。関心のある方ぜひご参加ください。
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