講演『なぜ組織は不祥事に導かれるかー組織の不条理』
昨日、奈良工業会のお誘いで、『なぜ組織は不祥事に導かれるかー日本軍に学ぶ組織の不条理』について講演した。
この公演のパワーポイントを作る上で、最も苦しんだのはカントの説明のところだ。いろいろ考えたが、ますますカント哲学が好きになった。
また、これまで直接カント哲学に入っていく形で説明してきたが、ハーバードのサンデル教授にならって、功利主義批判からカント哲学に入るのが一番良いことが分かった。
この功利主義からカント哲学への流れは、そのまま経済学から経営学へのなかれ、新古典派経済学からドラッカーの流れでもある。
今度は、日本能率協会でも講演を行うが、今度はもっと洗練された形で、この流れについてお話してみたい。
哲学は本当に面白い。
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ブログを常々利用させて頂いてます。
「命令違反」が組織を伸ばす 』に出会い、日々起こる不条理の要因を垣間見たように思います。
そして、カントの自律、ホパーの3世界、を見直す機会を得たことを大変感謝しております。
しかし、日本人にはカントが好きな人が大勢いるにも関わらずなぜ自律的に行動しないのか大変不思議に思います。
その原因は、
国家権力の不可侵性や
国民の絶対的服従義務の強調,
国民の抵抗権の否認など
カントの法哲学が強調されているからなのでしょうか。
ここがお気に入りですと、
所属する組織の皆が決めたルールに逆らう事が義務に背くように感じ、反対出来ないように思えます。
投稿: 匿名 | 2010年6月 4日 (金) 午前 11時13分