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2010年1月 6日 (水)

ドラッカーと経営学

 ドラッカーのことを、マスコミは「マネジメントを発明した人」と評することが多い。しかし、ほとんどの経営学者は、そうは思わない。ドラッカー自身もそう言っている。

 マネジメント、経営学は、19世紀末から20世紀の初頭に米国とドイツで同時に同時にうまれた。

 米国では、ドラッカーも認めているが、F・W・テーラーの科学的管理法が最初のマネジメントだ。

 ドイツでは、ゴムベルクの論文が最初の経営学だといわれている。当時、いまだ発展途上国であったドイツが近代化をめざして、新しい学問の必要性を感じていた。そして、協会が懸賞論文を募集し、それに当選したのが、ゴムベルクだったのだ。

 では、ドラッカーは何をしたのか。ドッラカー自身の言葉でいうと、経済学とも異なり、政治学とも異なるマネジメントという領域を独立させたということである。

 しかし、アカデミックな世界でいうと、ドラッカーが行ったのは、経済学からの攻撃に対して経営学を守ったことだ。「金儲け学問」、「独占資本の落とし子」と揶揄された経営学を救ったのはほかでもなく彼だ。

 「金儲け学問」で何が悪い。この学問こそ、経済人の時代の後にやってくる新しい産業社会を形成する人々が学ぶべき学問なのだと。

 

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