不条理な事例
今年は、日吉の応用経営学で、取引コスト理論について説明し、「不条理の事例について書きないさい」という課題を与えた。まだ、採点中だが、今年の2年生の回答は非常にユニーク回答が多い。しかし、不条理にとらわれて、講義の内容とはまったく関係のない不条理を書いている学生も多くいた。これは、減点となる。
不条理の事例:
コンビニでは、缶ジュースは120円である。スーパーでは100円で販売されている。しかし、大抵、スーパーは便利な所にはない。それゆえ、多くの人々はわざわざスーパーまでいって缶ジュースを買わないだろう。その方がコストがかかるからである。こうして、われわれは不条理にも20円も高い120円のシュースを合理的に購入している。
不条理の事例:
ある受験生は、最初は一橋大学を第一志望とし、第二志望を早稲田としていた。しかし、成績が伸びないので、受験科目の多い一橋大学をあきらめて、科目数の少ない早稲田に集中しようかと考えた。しかし、このとき、これまで一橋大学を目指して頑張った努力が埋没コストになる。そこで、結局、変更しなかった。しかし、結局、両方とも落ちて、いまは関係ない大学に行っている。
不条理の事例:
中京女子大は受験生が減少したために、女子大をやめて、男女共学にした。それにもかかわらず、名前は中京女子大のままだった。なぜか。そこには、レスリングのオリンピック選手がたくさんいて、中京女子大という名前がすでに知られており、変化するコストは高かったからである。
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