経営学者はどこに行こうとしているのか?
最近の経営学者、とくに若い経営学者は、この先本当に危険な道が待っているといいたい。
昔は、学問の世界と実務の世界が分かれていた。平和な時代だ。学者は、ニックリッシュの『組織、向上への道!』やバーナードの『経営者の役割』という難解な本を徹底的に解釈する。それは実務とは直接関係のない世界だったのだ。
そのような世界があることを実務家も知っており、学問と実務の世界は異なることを認めてくれてもいた。
しかし、いまは違う。実務家が要求してきたのか、あるいは経営学者の方から降りていったのか、分からない。多くの経営学者が、学問の世界から飛び出て実務の方に向かっている。融合し始めている。
これは安易にいいことだと思ってはいけない。危険な道だ。とくに、何も実務経験のない若い経営学者には危険だ。果たして、実務家を納得させることができる議論ができるだろうか。
実は、学会で実務経験のない素人の学者たちを納得させるような実務的話をしているのではないだろうか。これは危険である。自分の存在意義を喪失する。とういうのも、それならば、実務家を学者にすればいいからだ。
私は、学者としていいたいのは、若い経営学者は若い時からある会社の社史のような調査研究をするのではなく、原理、学説、哲学、認識論、方法論、統計学などを研究してほしいと思う。そうしないと、やがて社会人の前に堂々と立てないと思う。
若い研究者たち、がんばれ!
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