やはりハイエクはおもしろい
昨日は、慶応MCCのアゴラで、新進気鋭のハイエク専門家山中先生にハイエクについて講演をしていただいた。やはり、思った通り、ハイエクはおもしろかった。
ハイエクは、人間の理性は限定されているという立場だ。だから、超エリートの存在を前提とする中央政府による計画経済や社会主義を否定する。あくまでも個々人の行動を中心とする市場経済の方がいいという。
また、われわれの理性が限定されているので、自由が存在しているともいう。つまり、もし全能の神がいれば、みなその神のいうとおりに行動すればいい。そこには命令と服従だけがあり、自由はないのだ。
しかし、そんな全能の人はいないのだ。それゆえ、誰かのいうことに従うことは危険だ。結局、不完全な人間は不完全な他人の指示に従うよりも、自分で行動し、それに対して責任を追うべきなのだ。それゆえに、人間には自律的に行動する自由があるというわだ。
おもしろい。
やはりカント哲学と関係していると思う。人間は自由にうまれついたがゆえに自由なのではなく、自由を行使し、その責任を担って生まれたゆえに自由なのだ。byKant
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