カント、ヴェーバー、ポパー
多くの哲学者や学者がカントの哲学を発展させてきた。しかし、私が考えるカント哲学の継承者は、経済社会学者であるマックス・ヴェーバーと科学哲学者カール・ライムント・ポパーだ。
カント哲学の最大の問題は
(1)人間は他律的(因果法則に従う存在、刺激反応する存在)であるとともに
(2)人間は自律的(自らの意志を原因として行動する存在)であるとしている点である。
これらは相互に矛盾するのだ。
カントはこの矛盾を二元論的世界観に立って解決しようとした。つまり、人間は因果法則が支配する「現象界」と自由意志が存在する「物それ自体の世界」の両方の世界に住んでいるというのだ。
マック・ヴェーバーは、この同じ問題を以下のようにとらえた。
(1)人間は目的合理的であるとともに
(2)人間は価値合理的だとした。
「プロ倫」で、西欧では宗教改革から価値合理的な行動によって近代化が起こり、やがてその行動は目的合理的となり、自由なき冷たい世界が来るだろうと予言した。いかにして人間の自由を回復するかが問題だったのだ。
K・R・ポパーはこの問題を以下のような世界観の問題として捉えた。
(1)決定論の世界
(2)非決定論の世界
そして、世界はどうなっているのかに関して悩んだ。
この3人の哲学は非常に面白い。
さらに、これらの哲学と関係しているのが、ニックリッシュ、バーナード、ドラッカーだ。最近、改めて面白いなあと思うのは、ドラッカーだ。
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