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2009年11月18日 (水)

『戦略の不条理』でのクリティカル・マネージング・フローとPDCAサイクルとの違い

 さて、拙著『戦略の不条理』光文社(アマゾンでは1,2カ月待ち表示だが、実際にはすでに買えるはずということらしいですので、ぜひ関心のある人は買ってください)で、展開しているTS1(暫定的戦略)→EE(批判的議論)→P1(問題)→TS2(暫定的戦略)のサイクルがPDCAサイクルと同じだと思っている人がいるようだが、異なっている。

PDCAは経営学でいう管理プロセスの一種だ。それは、もとをたどれば、テーラーの課業管理であり、Plann →Do→ Seeのサイクルの変種だ。

まず、一日に可能な仕事量を基準値(計画値)として設定し、それにもとづいて従業員を働かせる。そして、その結果と基準値を比較し、差があれば、基準値を下げるか、あるいは従業員をさらに基準値に近付けるかとなる。後者を行うために、テーラーは基準値を超えた労働者には割増賃金を、基準以下の労働者には割引賃金をという差別出来高賃金制度を提案した。

これに対して、私の提案しているTS1→EE→P1→TS2・・・は、ポパーの科学的知識の成長の図式を応用しているのだ。

ポパーによると、科学は批判によって進歩するのだ。いま、TS1をニュートン理論だとしよう。これを批判的に議論し、その反証事例を見出そうという試みがEEである。そしてもしニュートン理論と矛盾する反証事例が発見されたならば、その矛盾が問題P1となる。次に、ニュートン理論TS1が説明に成功した領域を説明し、かつ反証事例をも説明する新しい理論つまりアインシュタインの相対性理論が登場することによって、われわれは認識進歩したといえるのだ。

この考えを企業の戦略行動に応用しているのが、私のクリティカル・マネージング・フローなのだ。それは企業を進歩させる方法なのだ。

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