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2009年10月

2009年10月31日 (土)

菊澤ゼミで驚くこと

 昨日は、日吉でオープンゼミを行った。たくさんの2年生が来てくれて、感謝している。また、8時30分頃までゼミに付き合ってくれた2年生もかなりいたので、驚いた。ぜひ菊澤ゼミに入ってほしいものだ。

 さて、いま菊澤ゼミでは、三田祭の研究論文で、3年生は非常に忙しく勉強をしている。そして、その中間報告を毎回ゼミで披露してくれる。そして、鋭い質問を受ける。そのとき、ゼミ員の質疑応答に驚くとともに、嬉しく思うことがある。

 それは、まだ私の本『比較コーポレート・ガバナンス論』をみんなでゼミで読んでいないにも関わらず、ゼミ員がすでに「先生の本の*章では、こういう議論が展開されていので、それを応用した」とか、「先生の本の*章のモデルを使って考えてみた」などといっているときだ。

 私の本を読んでくれていることが嬉しいのではない。「もう教えなくても、自力でこんな本もあんな専門書も読めるようになったんだなあ~」という点だ。それが、うれしいのだ。みんな力がついたなあ~と思う瞬間だ。まさに、ゼミの喜びはこれなのだ。

 こういった読書力のついた学生は、卒業後もいろんな本を読み続けるだろう。それが大事なのだ。勉強はこれからも長く続くのだ。

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●昨日、帰りに横浜駅の西口の有隣堂によってみたら、拙著『戦略の不条理』が新書部門で10位になっていた。驚いた。初めての経験だ。

●横浜駅の丸善では、拙著はと売り切れてなかった。店員はやる気がなさそうで補充するるかどうかも分からず、がっくり。なんとか、はやく補充してほしいものだ。

●また、浜松町の談という本屋でも新書部門17位だった。

http://www.bunkyodo.co.jp/danhp/hama/007-004-05.htm

●さらに、丸の内丸善でも新書部門4位であった。

http://www.maruzen.co.jp/shopinfo/marunouchi/index.aspx

菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書 426)

読者に感謝しています。引き続き、ご愛読お願いします。

それから、もうひとつの拙著『組織は合理的に失敗する(組織の不条理)』も横浜西口の有隣堂では、たくさんあったのに、残り1冊になっていた。はやく補充してほしいものだ。

2009年10月30日 (金)

第二回目のアゴラと『戦略の不条理』の広告

 昨日は、慶応丸の内キャンパスMCCで、第二回目の教養講座が開かれた。いわゆる社会人ゼミという形で進めている。

 今回は、マックス・ヴェーバーが『プロ倫』で展開した内容と彼の予言について説明し、その予言が必ずしもあっていないことを指摘し、なぜそうなったのかを議論した。

 ヴェーバーは、人間がお金儲けのもとに目的合理的な行動を徹底して行けば、やがて因果論や力学に従う冷たい機械のような組織、冷たい機械的な市場経済がやってくると考えた。それは人間にとってもっとも大事な自由のない世界だ。

 しかし、結局、いまの時代は、そのような機械的合理的な冷たい世界ではない。不正や欺瞞で満ちている。組織内部でも市場取引でもだ。なぜか。

 答えはこうだ。人間は合理性を追求してきたが、結局、完全合理的ではなく、限定合理的だったということだ。それが、不正を生みだし、不祥事を生みだす。さらに、それを抑止するために制度を生み出す。

 しかし、制度設計によって不正や不祥事を抑止できるのか。次回は、これについて議論する。

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 ところで、拙著『戦略の不条理』の売れ行きは好調なのではないかと思う。一昨日も日経の夕刊に、新書ブームというコンセプトで各出版社の代表的な新書が掲載されていた。光文社からは拙著が大きく掲載されていた。とてもインパクトがあった。amazonでもランキングが3ケタとなっている。さらに、売れてくれるといいのだが・・・・・

菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書 426)

2009年10月28日 (水)

拙著『戦略の不条理』について

 拙著『戦略の不条理』光文社新書に関して、いろんな方からありがたい感想をいただいている。とくに、この本で展開している「立体的大戦略(キュービック・グランド・ストラテジー)」あるいは「戦略のキュビズム」に、関心をもっていただき、非常に感謝しています。

 関心を持っていただいているので、この本での議論が物足りないと思う人も多いと思います。しかし、専門書ではなく、新書ですので、そこは我慢していただきたいと思います。

 ところで、この本で展開している戦略的議論は、ポパーの三つの世界の実在性を前提としてあくまでも企業内部の観点から、いかにして一企業が生き残るかを議論するものです。それは、三つの実世界を前提とする実践論であり、経験科学的ではありません。以下の実在論と実践論です。

カント哲学的分類=実在論+認識論+実践論

 この同じポパーの三つの世界を前提として、企業の外から観察するようにして企業行動を説明する経験科学的研究(カント的分類でいう認識論分野)が、実は私がいま取り組んでいる「行動新制度派経済学」である。これは、物理的世界と知性的世界を対象とする新制度派経済学と心理的世界を対象とする行動経済学を結び付けて、一見奇妙に思える企業行動も実は合理的だと説明する理論である。

 こちらの方は、世界に向けて発信したいので、現在、英語論文として仕上げようとしている。いま、1本出来上がっているので、そのアブストラクトを紹介したい。

最近は、文庫や新書を出版しているので、アカデミックではない、だめな金儲け学者と思われては困るので・・・

Toward Behavioral New Institutional Economics

Kenshu Kikuzawa

Keio University, Tokyo, Japan

Abstract

Behavioral economics has recently been the subject of considerable research with the consequence that theories in behavioral economics and finance have complementarily developed to comprise a research field known as ‘behavioral finance’. Subsequent studies seeking to integrate game theory and behavioral economics come under the ‘behavioral game theory’ umbrella, while those wanting to integrate contract theory and behavioral economics fall under ‘behavioral contract theory’. Given such circumstances, the remaining avenue to explore is the integration of behavioral economics and new institutional economics, the latter consisting of transaction cost economics, agency theory, and the theory of property rights. This paper pursues this remaining possibility and indeed proves that ‘behavioral new institutional economics’ can be developed and would be a fruitful new field of research.

2009年10月25日 (日)

菊澤著『戦略の不条理』光文社新書 と『組織は合理的に失敗する』

 拙著『戦略の不条理』光文社新書は、どうも売れているようだ。

菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書 426)

 最初、その売れ行きは地味な感じがしたが、今日、横浜駅の本屋に立ち寄ったところ、西口地下の有鱗堂では残り2冊になっていた。そして、そこだけ凹んでいた。早く補充してほしいものだ。

また、東口の丸善では、すでに売り切れてなくなっていた。早く補充してほしいと思った。

そして、東口の紀伊国屋でも残り3冊になっており、やはりそこだけ凹んでいた。

 実は、光文社の方からもしかしたら増刷になるかもしれないとの連絡を受けている。まだ決定しているわけではないのだが、その可能性だけでも非常にうれしいものだ。

 今回の本がなぜ受け入れられているのか、まったくわからない。いずれにせよ。ありがたいことだ。たくさんの人に読んでもらいたい。

 今回の拙著『戦略の不条理』は、多くのビジネスマンが疑問に思っているのではないかと思われる軍事戦略論と経営戦略論の間の深い溝を埋めようとするものだ。

 これまで、一方で経営戦略論の専門家は軍事戦略のことには一切ふれず、他方で軍事戦略論の専門家も経営戦略論について一切ふれることはなかった。しかし、これはあきらに奇妙な関係です。

 二つの領域を統合して、よりよい戦略思想を展開しようというのが、拙著『戦略の不条理』の目的の一つです。関心のある方はぜひ一読お願いします。新しい戦略論の世界に入れると思います。

amazon 戦略の不条理

 菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書 426)

 それから、9月に発売された『組織は合理的に失敗する』日経ビジネス人文庫、この本の売れ行きはよくわかりませんが、地道に動いているように思います。この本は、実は『戦略の不条理』の姉妹本で、本来の題名は『組織の不条理』です。

 こちらも面白い本なので、ぜひあわせて購入していただけいると嬉しく思います。

amazon 『組織は合理的に失敗する』

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

2009年10月24日 (土)

祝!5刷 『組織の経済学入門』ウィリアムソンの取引コスト理論を知りたければ!

 昨日、有斐閣から拙著『組織の経済学入門』の第5刷が送られてきた。初版は2006年10月なので、出版されて3年、いつの間にか5回も増刷したことになる。読者のみなさん、そして学生に感謝したい。

 この本は、とてもわかりやいといってくれる人が多いので、とてもありがたいことだ。新制度派経済学のテキストとして、あるいは企業論の教科書として、採用してくれている人が結構いるのだ。

 さて、「組織の経済学」というと、本格的な本としてはミルグラム=ロバーツの本が代表だ。しかし、あの本は意外に難しい。ある程度の大学で、しかもある程度数学的基礎が必要だ。経済学部で、数理モデルの構築に関心のある人は必須の書である。

 これに対して、拙著『組織の経済学入門』は数理モデルの展開よりも、現実解明に関心をもつ人にお勧めだ。しかも、今年、ノーベル経済学賞を受賞したウィリアムソンの取引コスト理論に関してかなり体系的に説明しているテキストのひとつだと思っている。関心のある人はぜひこの本をみてほしい。

 amazon 写真をクリック『組織の経済学入門』

 菊沢 研宗: 組織の経済学入門―新制度派経済学アプローチ

昨日はOBと

 昨日は、私の慶大小島ゼミOB会会長(元役員)のTさんが、会社の人事の方を連れてゼミに遊びにきてくれた。昨年来、不況なので、私も学生にとってもありがたい。

 T大先輩は、私が大学院のときからお付き合いさせていただいており、またわれわれのような後輩を上手に扱ってくれるので、いつも楽しい。

 来週は、昨年、菊澤ゼミを卒業したOBのH君がゼミにきてくれるので、どんな話をしてくれるのか楽しみだ。学生も参考になるだろう。昔は、よくゼミに社会人を呼んでいたが、これからまたきてもらおうかなあ~という気になってきた。

 しかし、社会人の方の会社の説明を聞いていると、ときどきわれわれわれのような教師はつらいときもある。「10月、11月、12月から積極的に会社の説明会、ゼミナーなど言った方がいい」というのがほとんどだ。そこには、(大学の講義を休んでも)だ。

 昔の就職の流れと異なり、最近の学生はかわいそうだ。勉強している時期が3年生の前半のみだ。3年秋から就職活動が始まる。そして、4年の5月に決定する。その後は、内定先の企業から資格試験を受けておけと命令がくる。これでは、大学の存在意義が問われる。

 私は、実は就職活動したことがない。しかし、人生を生きていることは同じだ。私が、学者として現在それなりに生きているのは、実はまじめに経営学という現実的な学問を研究したきたからではない。

 私の若いときのことを知っている年配の先生は私のことをわかっているのだが、そしてもちろん私自身もわかってるのだが、学部と大学院のときに、近視眼的に経営学を勉強してないことが、いまになって本当に役立っている。

 私は、科学哲学と呼ばれる分野で、K.R。ポパーの批判的合理主義を研究していた。「経営学は科学かどうか」を研究していたのだ。ポパーは、カント哲学を洗練化した哲学者である。また、カント哲学を受け継き、社会科学に導入したのはM・ヴェーバーである。だから、私の学問の基礎はすべてカントとヴェーバーとポパーなのだ。これは、私にとっての御三家なのだ。

 当時、私には彼女がいていつも喫茶店で哲学の話しをしていた。文学部でもないのに、なんでそんな研究をしているのか、ときどき聞かれた。私は、当時、若く、「企業のための御用学者にはなりたくないんだ。会社がもうかろうとつぶれようと関係ないんだ」といっていた。自分の研究がもっと高尚でどんな大学の同期の大学院生よりも上をいっていると思っていたのだ。

 しかし、それは妄想ではなかった。いま、振り返ると、結局、現在の私の基礎はすべてそのときのものだ。学問に行き詰ったとき、人生に悩む時、結局、そこにもどっていくのだ。そして、運命に導かれるように、いま、慶応MCCでのアゴラの講座でM・ヴェーバーを社会人の方々と議論している。

 私は、これまでいくつかの本を書いてきたが、その本の内容背後には必ずポパーとヴェーバーとカントがいる。読者のみなさん、わかっていただけますか?

 最後のオチ。つまりのところ、私は大学時代からまったく成長していないのだ。たぶん、「意匠」だけが発達しただけなのだと思う。

 

 

2009年10月23日 (金)

日経の広告

 本日の日経の広告をみて驚いた。野中郁次郎監修『組織は人なり』ナカニシヤが載っていた。この本の企画、出版、そして販売、すべて仕切っている成田君も本当に喜んでいるだろう。

 その広告効果もすぐに現れていて、アマゾンの順位はなんど三桁の上位だ。私の新書『戦略の不条理』光文社新書も売れているようなのだが、アマゾンの売り上げでは彼に負けてしまった。すごい。

 私も、昨日、横浜駅の本屋をみたら、横浜の丸善では、私の『戦略の不条理』だけが売れてなくなっていた。(今月は5冊同時発売だったのだが)あまり実感がないのだが、やはり売れているのかなあ~。

2009年10月22日 (木)

『戦略の不条理』

 拙著『戦略の不条理』光文社が発売されて1週間、その売れ行きが心配だったが、昨日、光文社の方から連絡があり、好調との情報をえた。ホットしている。

 昨日は、中央大学の非常勤で多摩キャンパスにいった。拙著の売れ行きをみるために、生協の本屋に立ち寄ったところ、拙著『戦略の不条理』光文社新書と同時に発売された他の4冊は非常に目立つポジションで平積みになり、拙著の『戦略の不条理』がなかった。また、同様に、日経ビジネス文庫の『組織は合理的に失敗する』も先週まで確かに平積みで置いてあったのに、昨日はなかった。

 これをどう解釈するか。売れたのか、まだ入荷していないのか。売れたのか、返品したのか。

 良い方の解釈をしよう。

 さて、『戦略の不条理』は、まったく気がつかなかったが、ある人のコメントから、この本は政治学を学ぶ学生にも有用な本だとわかってきた。国際関係論などとも関係するのだろう。むしろ、内容をみなければ、孫子、クラウゼヴィッツ、リデルハート、・・・など政治学的かもしれない。ということで、政治学の学生にもぜひ購入してほしいものだ。

 もしろん、本書の対象はビジネスマンであり、戦略思想を学びたい人々であり、軍事戦略と経営戦略の関係をしりたい人たちである。

菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書 426)

2009年10月21日 (水)

『戦略の不条理』

 売れ行きが心配なのだが、拙著『戦略の不条理』光文社新書の広告が昨日日経新聞に出て、アマゾンでも少し売れはじめた感じがする。

 この本は、昨年出版した『戦略学』ダイヤモンド社の内容を、孫子、クラウゼヴィッツ、リデルハート、ロンメル、ハンニバル、ナポレオンなどの戦略を思想をまじえて、立体的大戦略つまりキュービック・グランド・ストラテジーについて説明しています。

 戦略論の思想を読みやすくコンパクトにまとめたので、孫子、クラウゼヴィッツ、リデルハートなどの戦略思想を学説史のようにも読めるようにもなっています。

 一見、政治学的な内容に思えるかもしれませんが、この本はあくまでも経営戦略論の本として出版しています。だから、本書には、ポーターの競争戦略、資源ベース理論、ブルーオーシャン戦略、経営戦略論についてもコンパクトに説明しています。

 また、2002年にノーベル経済学賞を受賞したカーネマンやセイラーの行動経済学や2009年今年のベール経済学賞を受賞したヴィリアムソンの取引コスト理論も説明していますので、戦略の経済学という側面もあります。

 これまでいくつか新書や文庫を書きましたが、その中では一番やさしくわかりやすいと思いますので、戦略の基本を学びたいビジネスマンや学生にはいいと思います。また、教養としてもいいのではないかと思います。

写真をクリックしてください。アマゾンにいきます。

菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書 426)

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2009年10月19日 (月)

「組織は人なり」と成田君について

 昨日、成田君から『組織は人なり』(野中郁次郎監修)ナカニシヤ出版をいただいた。この本が完成するまでのプロセスを、私はたびたび彼から聞いていたので、本当によかったなあと思った。

 この本が、いろんな人たちの協力のもとに、そしてまたいろんな苦労をしながら完成したことを、私はよく知っているので、とにかく良かったなあと思った。

 本の表紙や挿絵もすばらしい。とてもインパクトがある表紙だ。さらに、本の構成もよく工夫してあり、しかもわかりやすい言葉で説明されている。そのため、アマゾンでは売れているようだ。

 今日、横浜の紀伊国屋にいったが、平積みになっており、他よりも低くなっていたので、きっと売れているのだろう。

 この本に懸ける成田君の思いに、乾杯!

 

2009年10月18日 (日)

拙著『組織は合理的に失敗する』と『戦略の不条理』

 昨日は、大学院の研究会があった。社会人の学生が多いので、土曜日に講義を開講している。私は、はやく社会人大学院生から解放され、純粋に研究者を養成したいとは思っているのだが、まあ、これも運命とか縁とかいったものだろう。

 さて、大学院生から売り場での拙著の本の動きをいくつか教えてもらった。浜松町の談という本屋では、『組織は合理的に失敗する』に関して、取引コスト理論、エージェンシー理論、所有権理論という三つの理論を学べるという宣伝付きで販売されていたという学生がおり、店にはかなり知的な販売員がいるのではないかと推測する学生がいた。私も驚いた。

 しかし、私は欲張りなので、今度は「ノーベル経済学賞を受賞したウリアムソンの取引コスト理論が学べる本」として紹介してほしいと思った。

 一方、最新の『戦略の不条理』はアマゾンをみるかぎり、何か動きがにぶくて心配している。こちらも、私個人ではかなり面白い内容だと思っている。昨日、見本が私のところに届いたのだが、帯には勝間さんの推薦まで入れていただき、勝間さんには感謝している。これで、売れないと申し訳ないのだが・・・

 もちろん、この本も、もれなくノーベル賞受賞者のウイリアムソンの取引コスト理論が学べるようになっています。

 アマゾン

菊澤著『組織は合理的に失敗する』

写真をクリック

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

菊澤著『戦略の不条理』

写真をクリック

菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書 426)

2009年10月17日 (土)

組織学会での報告や慶応アゴラ

 ここ、数日、あまりにも忙しくて、ブログも書けなかった。10月11日には、組織学会50周年記念大会があり、そこで『戦略学』ダイヤモンド社の内容を報告した。実務家の反応は良かったが、学者の反応はわからない。

 アカデミミズムに欠けると思う人には、実はこの考えをアカデミックにしたのが、「行動新制度派経済学」なのである。この論文を読んでほしい。

 これは、今年、ノーベル賞を受賞したウィリアムソンの取引コスト理論と最近流行りの行動経済学を結び付ける研究であり、論文を2本出している。(三田商学研究)、そして英文も1本完成し、これからどこかのジャーナルに投稿しようかとたくらんでいる。

 そして、その同じ内容をさらにやさしく説明したのが、光文社新書『戦略の不条理』である。ここでは、孫子、山本七平、クラウゼヴィッツ、リデルハート、ロンメル、ハンニバル、ナポレオンなどを紹介しながら、新しい戦略の哲学「キュービック・グランド・ストラテシー」について説明した。

菊澤著『戦略の不条理』光文社新書

 菊澤研宗: 戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書 426)

 また、昨日から、慶応MCC(丸の内キャンパス)でアゴラの社会人教養講座も始まった。集まっていただいたメンバーは大変レベルが高く、驚くとともにとても感謝している。社会人ゼミナールという形式で展開される講座で、楽しくなりそうだ。

 私には、参加者の方々に対応できる知識と能力があるかどうかわからないが、慶大、福澤のモットーである「半学半教」の精神で、議論したいと思っている。

 9月、10月とまったく休むひまがない。体は疲れているのだが、精神が何か元気なのだ。

 

2009年10月13日 (火)

O.ウィリアムソン教授のノーベル賞受賞 おめでとう

 新制度派経済学、取引コスト経済学の創始者、オリバー・E・ウィリアムソンが2009年度のノーベル経済学賞を受賞した。

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 これまで新制度派経済学を研究してきた私としては本当にうれしい。本来ならば、彼は、1991年にロナルド・コースがノーベル賞を受賞したときに、同時に彼が受賞してもおかしくなかった。というのも、彼がコースの論文を取り上げ、そこから取引コスト経済学を大きく発展させたからである。その功績は大きいのだ。

しかし、その後、時間がたったので、もしかしたらノーベル賞はもらえないかもしれないなあ~と思っていたが、・・・・良かった。本当に良かった。

●取引コスト理論とは

 これまで正当派経済学つまり新古典派経済学では、完全合理的に効用を最大化する人間が仮定され、このような人間観に立って市場の効率性が数学的に説明されてきた。

 これに対して、ウィリアムソンは人間は限定合理的であり、すきあらば利己的利益を追求する機会主義的な性格をもつものと仮定した。

 そして、このような人間が市場で知らない人々と取引する場合、相互に駆け引きが起こり、多大な取引上の無駄が発生することになる。この取引上の無駄のことを「取引コスト」と呼ぶ。

 この取引コストを節約するために、知り合い同士の取引が生まれるということ、つまり組織が形成されると主張したのがウィリアムソンなのである。

 この同じ取引コスト節約原理にもとづいて、さまざまな組織のデザインも説明できるし、なぜ企業が垂直統合を行うのかも説明できるのだ。

 また、この取引コストが発生するために、個別合理性と全体合理性が一致しないという現象が起こるだ。つまり、現状が非効率なので、社会的にみてより効率的な方向へと変化すればいいのだが、変化するには多くの利害関係者と交渉取引する必要があり、そのために膨大な取引コストが発生する。この取引コストを考えると、非効率的な現状にとどまる方が合理的になるという不条理が起こるのだ。

 この取引コスト理論について、関心のある人は、ぜひ拙著を読んでもらいたい。取引コスト理論について、どの本よりも詳しく優しく書いてあるので・・・

amazon.以下の写真をクリリックしてください。

菊澤著『組織は合理的に失敗する』

 菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

上記の本は、取引コストが不条理な現象を生み出すことを日本陸軍の事例を用いて説明しています。

菊澤著『組織の経済学入門』

 菊沢 研宗: 組織の経済学入門―新制度派経済学アプローチ

 この本は、取引コスト理論の教科書です。

2009年10月 9日 (金)

防衛省での講演

 本日、防衛省で話をした。短い時間でいろんな話をしたが、ある程度、理解していただけたのではないだろうか。

 久しぶりに、防衛省で話して、まず驚かされたのは、私が登壇すると、「起立、礼、着席」の号令がかかることだ。防衛大でも同じことをやっていたことを思い出した。

 一般大では、もちろん、こんなことはしない。とくに、最近の学生はわれわれが教壇に立っても、ザワザワしている。だから、最初の一声は、大抵、「静かに!」という言葉から始まることがほとんどだ。講義の途中で、「そこ、静かに!」と注意することもある。それだけでも疲れるものだ。

 さて、今回、防衛省の幹部の方々にお話しをして、そしていろいろと質問を受けたが、とても良い質問が多かった。そういった質問からも、その理解度が推測できるものだ。ということで、私としては十分満足し、そして聞いてくれた方々に感謝している。

 しかし、最後にアンケートを取って、私の講義について意見を書いていると思うが、どうか「難しくて意味がわからなかった」というのが大多数にならないことを祈りたい。意外にこういったケースもあるのだ。

単純明快化することと端折る(省略)ことの違いについて

 ある人の議論を聞いて、あるいはある本を読んで、話を単純明快化して説明する人と、話を端折(ハショ)ってしまう人がいる。表面的には同じように思えるが、まったく違う。

 前者は頭脳明晰な人であり、多くのことを学べる人だが、後者の人はかわいそうな人で、まったく学べない人だ。

 では、後者の人とは具体的にどういう人のことか?

例1

「インフレーションとは物の量に比べて貨幣の量が異常に多く、貨幣価値が下がることであり、この問題は・・・・・・・・・・・・・・・・である」というように、経済学理論を用いて1時間ぐらい説明をしたとしよう。

話を端折る人(学べない人)というのは、以下のように答える人だ。

「な~んだ、インフレーションを解決するのは簡単なんだ。いろいろ、説明を受けたが、結局、世の中に出回っているお金を減らせばいいだけなんだ。」(プロセスも大事なのだが・・・)

例2

「行動経済学によると、・・・・・・・・・カーネマンたちによって人間の心のバイアスは価値関数で表現される。この関数を用いると、プラスの心理状態ではリスク回避的となり、人間はあえて動こうとはしない。しかし、マイナスの心理状態ではリスク愛好的となり、人間は積極的に行動しようとする。この理論を利用すると・・・・・・・・・・・・・・・・・といえる」

話を端折る人(学べない人)

「な~んだ。話は簡単だ。結局、気分をかえればいいんだ」(そんなに簡単ではないのだが、簡単に変わるものは、すぐにもとにもどるのだが・・・)

例3

「M・ヴェーバーは、「プロ倫」で西洋の近代化のメカニズムについて説明した。プロテスタタンティズムの倫理が合理化され、それが個々人の心理を合理し、・・・・・・・・・・・・・・・・・、その結果、魂なき資本主義を形成した」

話を端折る人(学べない人)

「な~んだ。ヴェーバーの話は簡単だ。単に精神が資本主義を形成したといっているだけか」(これだと、ブレンターノの説と同じになるのだが・・・)

 こういった人と会うと、われわれのような学者はまったくの非力で、1時間もかけて話をしたことが、一瞬のうちに無駄になってしまう。

 しかし、こういった人は一般人だけではない、実は学者の中にもかなりいて、学会で発表すると、一人ぐらいこんな話を端折った質問をする人がいる。(意地悪な人かもしれない)

「な~んだ。あなたのいっていることは簡単なことですね。質量とエネルギーは同じだということですね」

(E=MC2の式を導き出したアインシュタインに対して)

大変なことだけど!

2009年10月 8日 (木)

台風と本の売れ行き

 本日、10月8日の日経新聞に拙著『組織は合理的に失敗する』の2度目の広告が出る予定なので、楽しみにしている。

 しかし、今日はあいにく台風で雨の一日となる。雨が降ると、せっかく広告を出しても本があまり売れないようだ。残念。

 拙著『組織は合理的に失敗する』は、超ベストセラーである『失敗の本質』といっしょに読んでもらいたい本である。『失敗の本質』は、1970年代に流行ったコンティンジェンシー理論がその背後にあり、日本軍の非合理性が強調されている。

 これに対して、拙著『組織は合理的に失敗する』は、1990年代以降徐々に浸透してきている組織の経済学あるいは新制度派経済学にもとづいて日本軍を分析している。そして、失敗の原因は日本軍の合理性にあったと主張している。つまり、日本軍は合理的に失敗したというのが、本書の主張の一つである。

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

 

2009年10月 7日 (水)

拙著『戦略の不条理』光文社新書の発売まじか

 いま販売されている拙著『組織は合理的に失敗する』日経ビジネス人文庫は、組織の不条理について説明している。

 これに続いて、10月16日には、光文社新書として『戦略の不条理』が発売される。こちらは、戦略の不条理について説明している。「戦略の不条理」とは何か。拙著から理解してほしいと思います。

戦略の不条理 アマゾン

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4334035299/kikuzawakensh-22

 この本は、基本的に昨年ダイヤモンド社から出版した『戦略学』とセットの内容になっています。戦略学で展開したCGSキュービック・グランド・ストラテシーについて、さらに知りたい人は、ぜひご購読お願いしたいと思います。

 この本では、これまでの日本軍中心の事例から離れて、西欧を中心に展開しています。孫子、クラウゼヴィッツ、リデルハート、ロンメル、ハンニバル、ナポレオンなどの戦略をコンパクトに整理していますので、彼らの戦略論をより深く知るための足がかりあるいはガイド的な役割もできる内容となっています。(より深い考察はこの新書ではなく、他の専門書にまかせますが・・・)

 また、彼らの戦略と経営戦略とも対応させていますので、経営戦略論の流れについても概要を理解できるようになっています。もちろん、ガイド的な内容になっていますが、より深くしるための足がかりにはなると思います。

 このように、この本では、軍事戦略と経営戦略の統合が試みられています。この意味で、この本は、拙著『組織は合理的に失敗する(組織の不条理)』日経ビジネスマン文庫、『命令違反が組織を伸ばす』光文社新書に続く、第三弾ということになります。

 

 

2009年10月 6日 (火)

合理性という言葉

 「合理性」という言葉は深い言葉だ。われわれはふだん何気なく使っているが、その意味は多様だ。

 「理論あるいは論理に合う」という感じで使う人は、論理的とか計算可能的とかいう感じで使うのだろう。

 「人間理性に合う」という意味もある。この場合、人間理性は限界があるので、その理性の限界をもとにして批判的に生きることが理性に合う合理的な生き方となる。

 この意味で、合理性を使っているのが、K.R.ポパーだ。だから、彼は、自分の立場を、批判的合理主義と呼んだ。彼にとっては、批判的と合理的は同じだという意味だ。これは、カント的な使い方だ。

 上記のことも知らずに、昔、ポパーの批判的合理主義を合理性を批判する立場だと解釈した経営学者がいたが、・・・・・・・ああ~

 「合理性」といえば、何といっても、M・ヴェーバーだ。彼ほど合理性にこだわった学者はいない。彼は合理性を目的合理性と価値合理性に区別する。彼は、目的に対して適切な手段的な行為を目的合理的と呼び、ある絶対的価値に従って行為することを価値合理的といった。

 西欧では、宗教改革後、人々は意図的に価値合理的行為を行い、その行為は同時に意図せざる結果として目的合理的行為となっていた。やがて、価値合理的行為は意図からなくなり、意図的に目的合理的行為を行うようになった。こうして、魂のない機械のような資本主義がやってくるというのだ。

 もしヴェーバーが思っていたように、人間が「利己的」で「完全に合理的」ならば、自生的秩序としての市場経済が発生し、効率的資源配分を行う世界がやってくる可能性があった。そこには、感情や道徳などはない。機械のように、希少資源が効率的に配分され、利用される世界だ。

 しかし、現実は違った。人間は「利己的」だが「限定合理的」であったのだ。そのために、機械仕掛けの自生的秩序としての市場は完全には形成されず、不正、モラル・ハザードが発生したのだ。そして、・・・・・

 その後については、また・・・・・・・慶応の「アゴラ」で一緒に考えましょう。

2009年10月 4日 (日)

拙著『組織は合理的に失敗する』に関するブログに感謝

 拙著『組織は合理的に失敗する』をめぐって、たくさんのブログで紹介していただき、感謝しています。みなさん、拙著の内容を非常によく理解していただき、心から感謝しております。

 こういいった読者の方々に読んでいただけると、またがんばって何か良い本を書こうという元気がでてくるものです。今後とも引き続き、ご愛読のほとよろしくお願いします。

『組織は合理的に失敗する』に関するブログ

ありがとうございます。

http://blog.livedoor.jp/gica1/archives/51268036.html

http://hamatokudo.at.webry.info/200909/article_21.html

http://ameblo.jp/epimetheus-aion/entry-10353449801.html

http://nagaken.seesaa.net/article/128988380.html

http://blog.goo.ne.jp/sakurakokaoru/e/8e923ed1ba2452f7d25e4f88a9de9962

http://blog.goo.ne.jp/kasico_1981/e/8259ad49057ab619047bf923d1f1b74b

hhttp://ameblo.jp/priprikuma/entry-10350855557.html

http://metti99.blog92.fc2.com/blog-entry-166.html

http://booklog.jp/users/jamira/archives/453219511X

10http://plaza.rakuten.co.jp/tkenkana/diary/200909190000

11http://blog.tashiro-sr.com/archives/51702268.html

12http://ameblo.jp/satoshixx/entry-10348893542.html

13http://motofji.tea-nifty.com/impressions/2009/09/post-2b24.html

14http://ameblo.jp/priprikuma/entry-10350855557.html

15http://d.hatena.ne.jp/dkfj/20090926/1253946385

16http://d.hatena.ne.jp/Cruijff/20090927/1254012884

2009年10月 2日 (金)

10月8日に拙著『組織は合理的に失敗する』の二度目の広告

 本日、日経ビジネス人文庫の編集長より、拙著『組織は合理的に失敗する』が、売れ行き好調との連絡を受けました。

 そして、嬉しいことに、10月8日に日経新聞(朝刊)に二回目の広告を出してくれるようです。これも、読者のみなさんのおかげです。ありがとうございます。

アマゾン 『組織は合理的に失敗する』日経ビジネス人文庫

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/453219511X/kikuzawakensh-22

菊澤 研宗: 組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

 本書は、決して軽い内容ではありません。最近、流行りのハウツー本ではないので、すぐに実行できるような解決案など書いてありません。

 しかし、読み込んでいただけると、きっと何かを理解してもらえるものと信じております。引き続き、ご愛読のほとよろしくお願いします。

『戦略の不条理』の予約販売

光文社新書『戦略の不条理』の予約販売がアマゾンで始まりました。関心のある人は購入してください。

「12.5)-戦略の.pdf」をダウンロード

アマゾン『戦略の不条理』光文社新書

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4334035299/kikuzawakensh-22

この本は、昨年、出版した拙著『戦略学』ダイヤモンド社の軍事編です。

孫子、クラウゼビッツ、リデルハート、ロンメル、ハンニバル、ナポレオンなどについてキュービック・グランド・ストラテジー(CGS)にもとづいて説明しています。また、キュービック・グランド・ストラテジー(CGS)についてより原理的に深めています。

CGSについて、関心のある人はぜひご購入お願いします。

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