『組織は合理的に失敗する』日経ビジネス人文庫の発売まじか
拙著『組織は合理的に失敗する』日経ビジネス人文庫(762円)が9月3日頃、店頭に並ぶ予定です。
アマゾン
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/453219511X/kikuzawakensh-22
装丁はシンプルで美しい感じの本となりました。この本では、日本陸軍の事例を通して組織がなぜ不条理に陥るのかを説明しています。
ガダルカナル戦、インパ―ル作戦、ジャワ軍政、硫黄島・沖縄戦における日本軍の行動を新制度派経済学で分析しています。
『組織の不条理』ダイヤモンド社が高くて購入できなかった方はぜひこの文庫を購入してください。
また、この本の長いあとがきには新制度派経済学の限界についても触れていますので、ぜひ一度読んでもらいたいと思います。
日経新聞社
http://www.nikkeibook.com/book_detail/19511/
目次
プロローグ 不条理な日本陸軍から何を学ぶか
第 I 部 組織の不条理解明に向けて
第1章 組織の新しい見方―新制度派経済学入門
1 取引コスト理論がもたらす組織の新しい見方
2 エージェンシー理論がもたらす組織の新しい見方
3 所有権理論がもたらす組織の新しい見方
第2章 組織はなぜ不条理に陥るか―不条理な組織行動を説明する理論
1 組織の不条理を説明する取引コスト理論
2 組織の不条理を説明するエージェンシー理論
3 組織の不条理を説明する所有権理論
第 II 部 組織の不条理と条理の事例
第3章 大東亜戦争における日本軍の興亡―日本軍はどのように戦ったか
1 日本軍の南方作戦
2 日本軍勝利への道
3 日本軍敗退への道
第4章 不条理なガダルカナル戦―なぜ組織は後もどりできなかったのか
1 ガダルカナル戦
2 取引コスト理論と歴史的経路依存性について
3 なぜ日本軍は白兵突撃戦術を変更できなかったのか
第5章 不条理なインパール作戦―なぜ組織は最悪の作戦を阻止できなかったのか
1 インパール作戦
2 エージェンシー理論について
3 なぜインパール作戦を阻止できなかったのか
第6章 不条理を回避したジャワ軍政―なぜ組織は大量虐殺を回避できたのか
1 今村均のジャワ占領統治の正当性
2 所有権理論について
3 なぜジャワ占領地統治は効率的だったのか
第7章 不条理を回避した硫黄島戦と沖縄戦―なぜ組織は大量の無駄死にを回避できたのか
1 硫黄島戦と沖縄戦
2 組織形態の取引コスト理論分析
3 なぜ戦争末期の日本陸軍は自主的に組織変革できたのか
第 III 部 組織の不条理を超えて
第8章 組織の本質―軍事組織と企業組織
1 組織が不条理に導かれた事例
2 組織が不条理を回避した事例
3 組織の本質は限定合理性である―組織の形成、淘汰、進化の本質
第9章 組織の不条理と条理――進化か淘汰か
1 後もどりできない組織現象
2 組織はなぜ不条理に導かれるのか
3 組織はいかにして不条理を回避できるのか
第10章 組織の不条理を超えて―不条理と戦う企業戦士たち
1 組織の勝利主義がもたらす不条理を超えて
2 組織の集権主義がもたらす不条理を超えて
3 組織の全体主義がもらたす不条理を超えて
4 組織の不条理を超えて―「開かれた組織」に向けて
エピローグ 不条理な日本陸軍から何を学べたか
あとがき
文庫版のあとがき
大東亜戦争関連年表
参考文献
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