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2009年8月12日 (水)

組織か個人か

 前回に引き続いて、NHKの戦争特集について、旧海軍関係者たちが戦後ひらいていた海軍反省会はおもしろかった。

 NHKの解説は、日本海軍は組織を守って個を犠牲にしたとしていたが、逆だと思う。結局、海軍は個を守ったのだ。

 戦争責任を陸軍のせいにして、海軍は陸軍に言われて参戦したという形で、東京裁判は流れたということであったが、それは海軍にとって恥ではなかったのだろうか?

 A級裁判で、死刑になったのは陸軍だけで、海軍から死刑はでなかったというのは、実は海軍にとって恥ではなかったのだろうか?海軍は、無責任に戦争に参加していたのか?海軍は陸軍にそそのかされて参戦したのか?まるで、母親に言われて動く子供のようなだ。海軍の組織としての存在意義は何のか?

 結局、個が大事だったのではないのか?

 この特集の結論もいくぶん陳腐なものだった。組織を守って個人を犠牲にした。これである。これはいつもの全体主義批判だ。

 しかし、昨年起こった米国発の金融危機はむしろ個人主義が行き過ぎたのだ。利己的利益主義が行き過ぎたのだ。いまは、むしろ個を抑制し、むしろ組織や全体のことも考える必要があるという時代なのだ。

 みんなのことを考えない個人の自由などありえないというイマニエル・カントの自由論を再考すべきである。

 日本海軍には、その手本になるような側面を持っていてほしかったなあ~。これが、今回の特集番組の私の感想である。

 

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