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2009年6月19日 (金)

バーナードとカント2009年6月9日

 最近も異常に忙しいため、ブログが書けませんでした。

 さて、先週の火曜日に、朝日カルチャーで「バーナードとカント」について話をした。バーナードについては、たくさんの研究者がおり、いまでも学会ではその解釈学が盛んだ。

 バーナード学説をめぐってたくさんの賛辞が寄せられているが、正直いって驚くような賛辞は少ない。解釈がつまらないのだ。

 はっきりいって、バーナード学説はそのまままじめに語ると、地味な内容に思える。大学で、経営学に関するいろんな学説を学生に教えるが、一番教えにくいのはバーナードだ。内容が難しいということだけでなく、華やかさがないからだ。

 そこで、私はバーナード学説を華やかに語りたいので、いつもカントをもってくるようにしている。どうやってバーナードとカントを結びつけるのか?次の点で結びつけるのだ。

バーナードの人間観

(1)すべての人間は物理的社会的生物学的諸力にしたがって行動する。

(2)すべての人間は自由意思に従って行動する。

カントの自由をめぐるアンチノミー

(1)世界は因果法則にしたがって形成されている。

(2)世界は自由意思にしたがって形成されている。

バーナード学説の面白さは人間の自由を組織に持ち込んでいる点である。組織に人間の自由を持ち込むことは危険だと思う人が多いだろう。組織を破壊し、バラバラになると思うからだ。

しかし、バーナードもカントもメンバーの自由意思なくして組織は強くならないと主張しているのである。この点が、すごいことなのだ。

それはどういうことだ。それを、朝日カルチャーで説明しているのだ。

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