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2009年5月12日 (火)

大学というパイロットケース

 大学の教員組織ほど古臭いものはないと思っている人は多いだろう。まさに、白い巨塔、のイメージだろう。しかし、日本のどの企業よりも早く新卒採用を止め、中途採用を進めたのも大学の教員組織だ。

 昔は、助手で採用されると、終身雇用で、不満がなければ一生同じ大学に残れるのだ。だから、とにかく入口が重要なのだ。

 しかし、このシステムは危険なシステムだ。

 まず、若い人は業績ないので、判断基準が難しい。大抵はどの大学出身かとか、指導教授はだれかなどが大きな要因となる。しかし、これはこれでガバナンスが効いている。その若い人がダメな人だと、指導教授の評判が落ちるのだ。また、出身大学の評判が落ちて、次の弟子の就職に響くのだ。

 しかし、結果的にこの雇用システムは不評で、終身雇用に安住して業績を挙げずに居残る人があまりにも多く、今日、有力な大学ではこの制度はなくなった。

 代わりに出てきたのは、中途採用であり、公募制度である。今度は業績をみて採用しようというものだ。この制度にも問題がある。業績を判断することが難しいのだ。ただ優秀というのも問題で、やはり性格などもいい、バランスいい人が好まれるように思われる。しかし、その評価は難しいものだ。はっきりいえば、最後は「運」だ。

 また、個人が評価されるので、このシステムで採用された人はなんの気兼ねもなく、どんどん大学を移ってゆくものだ。大学には、アカデミックな仕事だけではなく、雑用も多いので、急に移動されると、困ったことが起こることがある。米国と異なり、日本ではアカデミックな仕事だけをすればいいというシステムになっていないのだ。

 しかし、私の見方では、この制度をまた昔のシステムに戻すような傾向は、いまのところないように思える。

 ということで、日本企業も新卒にこだわらずに、ぜひ広く中途採用も行ってほしいものだと強くお願いしたい。これは、学習指導主任としての切なる願いだ。

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