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2009年5月 3日 (日)

私の苦手な分野

 私は慶応義塾大学そして大学院を卒業していくつかの大学で教えてきた。慶応大学のようにすべての設備が整い、スタッフもたくさんいるような大学では経験できない体験をしてきた。つまり、私の主観的見解では、大抵の大学ではスタッフが十分いるわけではないので、いろんな科目を担当することになるのだ。

「経営学」、「経営組織論」、「経営戦略論」

「経済学」=ミクロ経済学とマクロ経済学

「人事労務論」、「経営財務論(ファイナンス)」、「経営学説史(米国とドイツ)」

「比較経営論」

 そして、会計学にも近い科目も担当した。私の指導教授がドイツ経営学の専門家だったのだが、ドイツ経営学の本質は実は会計学(ドイツでは経営経済学という)なので、シュマーレンバッハやニックリッシュやワルプなどは得意なのだ。

 また、ドイツでは科学方法論争が盛んだったので、科学哲学や科学方法論も得意だ。とくに、学部から大学院では、K・R・ポパーの科学哲学を研究し、同じ流れのM・ヴェーバーやI・カントなども研究していたので、この分野の哲学は大好きだ。

 これは良いことか悪いことかわからないが、こういった理由で、経営学に関係するほとんどの分野は最低限知っている。

 しかし、このように、いろんな科目を教えてきたのだが、いまだに苦手な科目がある。それは「マーケティング」だ。この科目は私にとって非常にわかりにくい科目であり、いまでも苦手意識がある。なぜかわからないのだが、マーケティングの概略を3、4回で講義しないさいという注文が一番つらかった。何か体系的ではないというか、非常に解説のし難い学問だなあという印象がある。わからない。

しかし、最近、マーケティングは戦略論と接近しているので、少しは親近感をもっている。

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