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2009年4月29日 (水)

新型ウイルス対戦とミッドウェー海戦

 いま、日本は新型ウイルスに対してどのワクチンで対処するかで、おおわらわだ。

 製造能力が一定で時間がかかるために、既存のタミフルか、新型ワクチンかで四苦八苦しているらしい。厚生大臣ははじめは新型でいくといったが、その後、半々でという感になり、そして、いままだ決断していないらいしい。つまり、今後、どのように戦っていくのかは情報しだいということらしい。

 私は、この状況が、ミッドウェー海戦の南雲中将の状況に似てるなあ~思ってしまった。ご存じの人にはくどい話だが、日本海軍の連合艦隊はミッドウェー島を攻略するために出撃し、そこに出現する米空母部隊を撃滅してしまおうというシナリオだった。

 ミッドヴェー島を攻撃するには、地上攻撃用の「爆弾」を航空機が装備する必要がある。一方で。米国空母を攻撃するには、「魚雷」を装備する必要があるのだ。

 最初は、いまの厚生省の戦法と同じ、半々にしていたが、米空母が発見されなかったので、南雲中将はすべての爆撃機にミッドヴェー島攻撃用の爆弾を装備させた。

 しかし、突然、米空母発見の連絡が入り、またしても魚雷に装備を変換させた。もたもたしているうちに、米空母から飛び立った爆撃機と戦闘機がやってきて、日本海軍の空母がすべてやられえしまったというお話。

 このような結末にならないように、厚生省は適切な対策をうってくれることを祈りたい。

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コメント

 いつも楽しく拝見しております。

 インフルエンザ・ワクチンの生産ラインについては、ご指摘の通りの状況です。なにしろ毎年のことで、しかも短期大量生産であり、簡単に生産力を増強するという選択肢がありません。

 南雲中将と置かれた状況が異なる点が二つあります。

 ひとつは明白に期限が限られているということです。

 次の流行期である11月末までに接種が概ね終了していないと、いずれにせよ効果が期待できません。状況はどうあれ、決断のために残された時間はあと1ヵ月を切っています。逆に言えば、それ以降、迷う余地は残されていません。

 もうひとつは、予防接種が間に合わなかったり外れたとしても、耐性株が出ない限りはタミフルなどの治療薬が使えるということです。(ただし、ワクチンにも治療薬にも、同じように副作用の問題はあります。)

 南雲中将のお立場で言えば、たっぷりな護衛戦闘機隊が連合艦隊機動部隊上空で待ち構えているようなもので、犠牲は免れませんが最低限に抑えることのできる見込みがあります。

 得失をよく計った対応を御検討下さい。

中村様
菊澤です。

大変、貴重なコメントありがとうございます。
感謝しております。

専門外のものが勝手にいろいろと想像して書いているので、ご迷惑をお掛けしているかもしれません。

今後とも、どうかよろしくお願いいたします。

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