慶応大学菊澤ゼミナールHP

私の趣味

新制度派経済学と限定合理アプローチの本

経営哲学学会HP

« 慶應夕学50講 | トップページ | CGSと最近の若者 »

2009年2月11日 (水)

かんぽの宿をめぐる一括売却

 現在、かんぽの宿をめぐってさまざまな問題が出てきている。そのひとつとして、かんぽの宿を一括で売却することの疑問も出ている。ひとつひとつ売却した方が全体として高く売れるのではないかということだろう。

 この一括売却をめぐってはいろんなケースがあるが、一括売却が必ずしも非効率的とは限らない。たとえば、ダイヤモンドをほぼ独占的に扱っているデビアスという会社はダイヤモンドの一括売却しか応じない。

 なぜか。

 ダイヤモンドには、大きなダイヤからくずのような小さなダイヤまである。ひとつひとつ売っていると、くずのようなダイヤは利用しにくいために、駆け引きされ、異常に安く叩かれたりする。つまり、取引コストが高いのだ。最悪の場合、だれも買わずに売れ残ったりする。

 取引コストを節約し、くずのようなダイヤも残さず売却し、有効に利用させるために、デビアスは大きなダイヤからくずのようなダイヤも混ざった形で、一括売却しているのだ。

 さてもしかんぽの宿も高く売れる簡保の宿から、だれも買わないようなまったく価値のないものまであるとすれば、ひとつひとつ売却するよりは一括売却の方が合理的となる可能性がある。そうすれば、従業員もクビにすることなく、維持することができるかもしれない。

 個別売却か、一括売却か。それは状況(取引コスト)に応じて選択される必要があるのだ。

« 慶應夕学50講 | トップページ | CGSと最近の若者 »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: かんぽの宿をめぐる一括売却:

« 慶應夕学50講 | トップページ | CGSと最近の若者 »

2025年1月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31