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2009年2月

2009年2月23日 (月)

意味論と構文論

 世紀末ヴィーンでは、科学的知識の発見の論理として「帰納法」が注目されていた。帰納法とは、たくさんの観察から普遍的理論を生み出すという方法だ。たとえば、たくさんのカラスを観察した結果、「すべてのカラスは黒い」という一般命題に辿りつく。

 この方法は二つの点が重要だ。

(1)観察言明「2009年10時15分三田でみたカラスは黒い」という言明が「事実」に対応するかどうか。この「言明と実在の一致を問う問題:を「意味論(セマッティクス)」という。

(2)上記の有限個の観察言明から普遍言明「すべてのカラスは黒い」へ至るロジックを分析するのが「構文論(シンタックス)」つまり「内部整合性の問題」。

なぜこんなことを紹介しているのかというと、最近の自民党の動きに疑問をもっているからだ。

(2)「党内で決めたことを守ることが論理一貫している。だから小泉元首相の行動はおかしい」という人は、上記(2)の構文論の問題にこだわっているのだ。

(1)しかし、多くの国民は(1)の意味論の問題つまり党の言明と国民の希望が一致しているかどうかを重視しているのだ。

自民の発言が集約されて論理的に政策がだされ、それが構文論的に整合的でも、そもそもその言明が国民の意見と違っていたら、意味がないのだ。

小泉元首相は、構文論より意味論を重視したから強かったし、今もそうなので強いと思う。

2009年2月18日 (水)

記者の不条理

 中川前大臣をめぐる騒動はいまだ終わっていない。風薬なのか、飲酒なのか。今度は、中川大臣と同行し、食事をしていた記者の行動が注目されている。

 いまだ、真実はわからないが、記者は「組織の不条理」に陥っているかもしれない。

同席していた記者にとって、もし状況を説明すれば、中川氏との関係は悪化し、今後、これまでのような良好な関係を回復するにはものすごい「取引コスト」が発生するだろう。それは、無限に近いコストかもしれない。しかし、それは記者としてあるい日本国にとっては非効率的かもしれないし、正しいことではないかもしれない。

 このような状況では、大抵、人間は社会的合理性を捨てて個別合理性を追求するという「組織の不条理」に陥ることになる。むずかしい問題だ。

 本日、報道番組で、私ならば記者に本当のことを記事にして書くべきだというというコメンテータがいたが、何か歯切れが悪い印象を受けた。

2009年2月17日 (火)

またも出た政治家の失態

 昨日来、中川大臣の失態をめぐって議論が紛糾している。本当のところはわからない。原因が風邪薬のせいなのか、飲酒のせいなのか。

 しかし、風邪薬を飲んで、ろれつがまわらないという経験をした人は、おそらく私を含めて少ないのではないかと思う。

 また、この事件をめぐる関係者の擁護発言も面白かった。

 軍事史の好きな人たちは、おそらく太平洋戦争のガダルカナル戦後の大本営発表を思い出したかもしれない。はじめはいろんな言葉を使って事実をあいまいにし、やがて事実を歪め、そして最後は事実を無視して国民に嘘をつきはじめる。

 いまの内閣は、毎日、日替わりで事件を起こすので、今度はどんな事件を起こすのか、「心配を通り越して、笑っちゃう」状況だ。

2009年2月14日 (土)

定額給付金をめぐる組織の不条理

 定額給付金をめぐって、ますます混迷した状況になってきた。もともと、この政策をめぐって、取引コスト理論的には、いくぶん疑問点があった。

(1)給付金それ自体が生み出す社会的メリットとそれを実現し配分するために必要な交渉取引コストがどちらが大きいのかとう点で、もととも疑問であり、問題であった。

 しかし、そのうち、この問題を解決せずに、この政策が多大な取引コストをかけながら(交渉取引に時間をかけながら)も実現可能性が徐々に高まってきたとき、先日、小泉首相がこの政策に否定的な発言をした。

 このとき、不条理が発生した。

(2)この政策を実現するものと思って、すでに多くの自治体や企業が多大な投資しており(たとえば、そういう部署を設置したり、1万2千円の商品開発したり)、ここでもしこの政策を中止すると、その投資は回収できないし、この政策をめぐる多くの利害関係者を説得する必要に迫られる。

 こういったさまざまなコストや交渉取引コストの大きさを考えたら、たとえこの政策がもはや非効率的で効果のないものだとわかっていても、もうあと戻りできないのでは・・・・・

 何かガダルカナル戦に似てきた感じだ。

2009年2月13日 (金)

CGSと最近の若者

 K.R.ポパーは世界を三つに区別した。物理的肉体的世界1、心理的世界2、そして知性によってその存在を理解できる知性的世界だ。

 このような多元的世界観にもとづいて、三つの世界へ働きかけて生き残りの道を探るというのが、私が提案しているキュービック・グランド・ストラテジー(CGS)だ。

 この戦略思想からすると、最近の若者は肉体を鍛え、知性も鍛えている。しかし、心理的世界が弱いように思える。肉体は強靭で、知性もあるのだが、心理的に弱いのだ。

 肉体はスポーツなどで鍛えることができるだろう。また、知性的世界は勉強すれば豊かになるだだろう。しかし、心理的世界は、どうのように鍛えればいいのか?

 強靭な精神、強靭な心。

 戦後最悪の組織といわれた日本軍の得意とした点だ。

2009年2月11日 (水)

かんぽの宿をめぐる一括売却

 現在、かんぽの宿をめぐってさまざまな問題が出てきている。そのひとつとして、かんぽの宿を一括で売却することの疑問も出ている。ひとつひとつ売却した方が全体として高く売れるのではないかということだろう。

 この一括売却をめぐってはいろんなケースがあるが、一括売却が必ずしも非効率的とは限らない。たとえば、ダイヤモンドをほぼ独占的に扱っているデビアスという会社はダイヤモンドの一括売却しか応じない。

 なぜか。

 ダイヤモンドには、大きなダイヤからくずのような小さなダイヤまである。ひとつひとつ売っていると、くずのようなダイヤは利用しにくいために、駆け引きされ、異常に安く叩かれたりする。つまり、取引コストが高いのだ。最悪の場合、だれも買わずに売れ残ったりする。

 取引コストを節約し、くずのようなダイヤも残さず売却し、有効に利用させるために、デビアスは大きなダイヤからくずのようなダイヤも混ざった形で、一括売却しているのだ。

 さてもしかんぽの宿も高く売れる簡保の宿から、だれも買わないようなまったく価値のないものまであるとすれば、ひとつひとつ売却するよりは一括売却の方が合理的となる可能性がある。そうすれば、従業員もクビにすることなく、維持することができるかもしれない。

 個別売却か、一括売却か。それは状況(取引コスト)に応じて選択される必要があるのだ。

2009年2月10日 (火)

慶應夕学50講

 昨日は、慶大夕学50講で「組織の不条理」の講演を行った。たくさんの方々に来ていただき感謝している。

 今回は「組織の不条理」をいかにして解決するかをめぐって、カントの人間観にもとづいて解決案を探った。もう少し研究を重ねれば、もっとわかりやすく説明できたかもしれない。今後は、さらにこの点を深く研究してみたいと思っている。

 また、社会人の方々はより具体的な事例を知りたい様子がよくわかった。われわれのような学者は一般原理で、具体的な事例は皆さんでという気持ちがあるのだが、今後はよりわかりやすぐ具体的な事例なども用意する必要があるなあ~と痛感した。

 いろいろ問題があったかもしれないが、今回はこのような機会が与えられ、大変貴重な経験をした。私個人としては面白かった。

2009年2月 2日 (月)

最悪の事態

 最悪の事態が起こってしました。わが息子が、インフルエンザにかかってしまったのだ。

 これまで用心して行動し、予防接種も受けていたが、結局、うつされてしまったようだ。昔は、いつも3月にインフルエンザにかかっていたのだが、今回はこの時期にやられた。

 そのため、私の調子も何か悪い。もう最悪だ。ついてない。何か気力もなくなって、やる気もでない。

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