ゼミについて思うこと パート2
この3年間ゼミで教えてきて思うことは、もともと非常に優秀な学生とゼミに入って急速に伸びる学生がいることだ。どちらも、私にとっては、うれしいことだ。
優秀な学生は予想通り、ますます優秀になって行き、他方、最初はそれほど目だたなった学生の中からも恐ろしく切れ味のいい人間が出現してくる。これこそ、ゼミの存在意義だ。
しかし、逆の場合もある。3年生のときには、ゼミで徐々に頭脳が洗練され、切れ味のいいレポートを書きはじめていた学生が、就職活動に入り、そして4年になり、内定がでて、再びゼミの活動にもどってきたとき、論文の切れ味が落ちているケースだ。
きっと、就職活動で違った脳の働きになってしまったのかもしれない。それくらい、就職活動は精神的にきついものなのだろう。今年の3年生には、なんとかこのきびしい就職活動を乗り切ってほしい。
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入ゼミを考えている2年生に一言
オープンゼミなどにいって、誰かの発表に対して、ハイ、ハイ、と多くの学生が手を挙げて質問するような活気あるゼミの光景をみて、すばらしいと思うかもしれない。確かに、元気があり、活気があり、ゼミとしてはとてもいい光景だ。
しかし、このような状況はプロの目からすると、まだかわいいものだ。ひとつまちがれば、純粋無垢な小学生レベルだ。慶大生にはもっと上のステージへ進んでほしい。
ゼミでの本当の真剣勝負は、沈黙の戦いだ。沈黙の中に、火花が散るような緊迫した空気。相互に相手の出方を探りあう。下手な質問をすると、逆にやられてしまう。そういった緊迫した空気をぜひゼミでも経験してほしい。
誘導質問というのも面白い。質問をしながら、発表者を誘導し、最後に矛盾に追い込む。発表者は先をよんで、誘導されないようにする。そういった駆け引きも、経験してほしい。
発表者はどんな質問がくるのかわからない。何か怖い。震えるくらいの緊張感。質問者もまた緊張で震えるくらい。そんな経験をぜひゼミでしてほしい。
ときどき、菊澤ゼミでは、私自身、学生の質問を聞いていて、「きびしい質問だなあ~」とか「本当に鋭い質問だなあ~」とか、「そこまで追求するかなあ~」とう思う質問がある。
そういった悪魔のような学生に、私はいつも感謝している。というのも、そいうときには、私はいつも正義の味方になれて、とても甘いコメントができるからだ。
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