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2008年12月21日 (日)

経営学会シンポジウム

 昨日、今年最後の経営学会関東部会のシンポジウムで報告をした。昨年も、シンポジュウムでコメンテータをしていたので、何かいつもこの時期報告している感じがする。

 私は、今年、9月に若輩でありながら、経営哲学学会の会長になってしまった。これは私が政治的な人間だからというわけではない。まったくの偶然だ。いろんな偶然が重なって、意図せざる結果、そうなったのだ。ダーヴィンの進化論の世界だ。

経営哲学学会会長あいさつ

http://www.jamp.ne.jp/daihyo.html

学会

http://www.jamp.ne.jp/home.html

 一般に、会長というのは他の学会で前線に立って発表というものはしないものだ。どっしり構えているものだ。だから、本当はおとなしくしたいのだが、どうしても声がかかると断れないダメな性格なのだ。

 そこで、私は考え方をかえ、最近では、自分はナポレオンやロンメルのように、先頭にたって戦う将軍と自分に言い聞かせて、別の学会に乗り込むことにしている。(来年も2つ学会からすでに招待を受けている)

 今回の場所は、明治学院大学であった。ありがたいことに満員御礼立ち見となった。(これは私というよりもCSRで著名な高巌教授も報告者だったからだと思う)

 私の報告テーマは「金融危機に学ぶ戦略の哲学」ということで、拙著『戦略学』ダイヤモンド社の宣伝も兼ねてお話をさせてもらった。

 たくさんの著名な年配の先生が来てくださり、非常に感謝している。特に、吉森先生がきてくださったのには感激した。

 また、野口御大が私の報告をカンティアン(カント学派)のひとつの集大成だとみてくれたのには少し感動した。そして、小島の弟子だといってくれた。嬉しかった。

 今回は、十分自分のいいたいことを言えたし、質疑応答でも私がカント主義者であることを十分伝えることができたので、満足している。

 また、私が経営学だけではなく、経済学も、軍事戦略も、哲学も知っていることに驚いてくれた若い学者もいてくれて、嬉しく思った。(ついでに、会計学もしっています!弱点はマーケティングです)

 さらに、前経営哲学学会会長の大平先生の司会も非常によかった。すばらしい。

 しかし、1点だけ、不満が残った。前日まで、一生懸命、パワーポイントを作ったのに。しかも3色も使って。明治学院の設備が悪すぎて、字がぼやけて、まったく見えなかった。がっくりした。残念!アニメーションも使っていたのに!!

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コメント

 菊澤先生。どうもご無沙汰しています。報告お疲れ様でした。本学の設備上に問題があったことは、「大学」と「開催校の担当者」に代わり私からお詫び申し上げます。m(__)m

 当日はスタッフ部門での現状を把握できる実働部隊が私1だけであり、それに加えていくつかの想定外のトラブルが続出でした。少しだけ弁明させてください。

1.関東部会で、こんなに多くの人数が集まっているとは開催校として想定していなかったこと。
2.事前の準備としてパソコンとプロジェクタの手配済みでしたが、手配したはずのパソコンとプロジェクタが当日準備されていなかったこと(結果として致し方なく当日間に合わせでパソコンとプロジェクタを用意せざるを得なかった)。
3.報告者のある先生が、パワーポイントのデータを忘れてしまい、そのフォローが必要であったこと。
4.会場となった大会議場での照度の操作が難しかったこと。ブラインドの上げ下げで暗くてきる程度では、天窓からの明かりをシャットアウトする事が不可能であったこと・・・

 そのほかにも様々なファクターがございますが、先生のご報告に際して満足の行く環境を提供できなかったことは心苦しい限りですが、以上のようなことがあったことを汲み取っていただければ、幸いです。

大変楽しいシンポジウムでした。最後まで参加したかったのですが、社会人大学院の仕事などで途中退席しなければならないかったのが残念です。私は、3名のパネリストに質問させていただきましたが(松下の分社化と金融資本市場の誤った企業評価、そして菊澤先生には経営戦略と企業評価)、いずれも市場の失敗を意図したものでした。利潤ゼロの市場は、実験室で完成される市場ですが、現実には市場は常に形成過程にあります。法律や諸種の規制、社会の規範などで交換取引が行れます。経営戦略は、こうした市場形成のプロセスを意識し、市場が完成されるまでのプロセスにおいて機能するのではないでしょうか。市場が完全競争に近づけば、戦略の裁量の範囲が狭まると思われます。経営理念や哲学は、市場形成のプロセスで不当な交換を否定し、正義の交換などを意識するのかもしれません。
先生の話されたイノベーションは、新たな市場を形成する萌芽でしょう。新たな市場が生まれ、新たなルールが形成される過程は、同時に経営戦略が意味をもつ過程であり、市場がその超過利潤を評価する過程かもしれません。市場は間違いますから、結果として、誤った選択が行われたのであれば、そうした過ちが行われない市場の制度を設計しなければなりませんね。まさに先生の研究領域かもしれません。今後とも、さらなる研究のご発展を祈念しております。

佐々木さんへ
当日は、ご苦労さまでした。
このブログで、少しきつく書いたかもしれませんが、許してください。

------------------
亀川先生へ
菊澤です。

 先生にブログでコメントしていただき、感激しております。私は、先の経営行動研究学会で先生のお弟子さんのCSRの報告を聞いて、先生のアプローチに親近感をもっております。

 さて、今回、学会では、大変、ありがたい質問をしていただき、心から感謝しております。

 今回のイノベーションについての私の立場は、かつて産業組織論で展開されたハーバード学派VSシカゴ学派の論争と関係しており、私は後者のデムゼッツなどの議論に賛成しています。したがった、決して市場を無視するものではなく、おそらく先生が理解されていることと近いのではないかと思います。

 先生との議論は学問的な刺激になりますので、今後ともどうかよろしくお願いします。

菊澤先生

私は,菊澤先生が亀川先生宛にコメントされている中で書かれている,経営行動研究学会でCSRについて報告をした弟子です。
いろいろ検索してたらこちらのブログにたどり着きました。
経営学会のシンポジウムを私も拝聴しました。菊澤先生の理路整然とした論理に学ぶ箇所が多々あり,感激しながら帰途に着いたことを思い出しました。
今後ともご指導くださいますようよろしくお願いいたします。

栗屋さんへ
菊澤です。
コメントありがとうございます。

私の好きなタイプの研究をされているので、ぜひこの方向で研究を続けてください。

また、お会いしたときには、声をかけてください。
今後ともよろしくお願いします。

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