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2008年12月12日 (金)

ポパーとカント

 私の最近の著書『戦略学』は、ポパーの多元論的実在論を基礎としている。私の本に関心をもってくれた読者は、同時にポパーにも関心をもってくれている人もいるようだ。

 ポパーは科学哲学者なので、基本的に認識論、科学の方法論の論文が多い。そして、私はそのようなポパーの科学哲学の論文が好きだ。とくに、『科学的発見の論理』は切れ味のいい本だ。

 しかし、一番好きなポパーの論文は、彼の著書『推測と反駁』の中にあるカントに関する論文だ。私のポパーのこの論文が昔から一番好きだ。すばらしい論文だ。

 さて、前からポパーがカントが好きなことは知っていた。しかし、ポパーの哲学とカントの哲学がどのように結びつくのか。この点は、非常にわかりにくく、難しい問題だった。とくに、認識論に関して、ニュートン力学を真理と信じて展開しているカントの方法論と人間は真理を獲得できないことを前提とするポパーの方法論は決定的に異なっている。

 しかも、ポパーはカントに敬意を払って、当時の人々にとっては、ニュートン力学を真理だとみなすことは、避けがたい誤りだったとカントに代わって言い訳をしているくらいだ。

 実は、ポパーとカントは実践理性批判で結びついているのだ。このことが、最近、やっと分かってきた。共通点は「批判」と「自由」にある。ポパーの批判的合理主義が成り立つには、カント的な自由人の共同体が必要なのだ。

 ポパーは、ソクラテスが自由の概念を語り、カントが自由という概念に共同体という概念をつけ加えたといっている点は非常に意味深い。

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