経験的CSR研究者への疑念
2000年代に入ってから、CSR(企業の社会的責任)に注目が集まっている。このブームに乗り遅れないように、多くの経営学者はCSR研究に忙しい。
最近、CSR研究者は、自分たちの研究を企業が受け入れやすくするために、CSRと企業業績との間にプラスの関係があることを経験的に証明しようとようとしている。しかし、このような研究は自滅する。倫理や道徳というものを知らない無知な研究だ。
命題「CSR活動を多くすればするほど、企業の業績は高くなる」
もしこのような因果命題がもし妥当だすると、この命題は次にのような命題に変形できる。
命題「企業の業績を高めるためには、CSR活動をする必要がある」
=命題「企業がお金儲けをするには、企業は社会的責任活動をする必要がある」
=命題「金儲けのために、企業は社会的責任ある行動をとる必要がある」
何か変だ!
結局、CSRは金儲けの手段なのか!
CSRというものは、そうではないだろう。
「お金が儲かる、儲からないとは無関係に、企業は社会的に責任ある行動とるべきだ」
これである。これが、カントの定言命法だ。
_____________________
2月9日の慶応大学夕学五十講の私の講演が満員になってしまった。どういうことだろうか。私は、それほど著名ではないのだが・・・・、おかしい。みんなたくさん受講券を買って、最後の講演に受講券を使い切ろうということだろうか。
夕学五十講
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因果関係は重要ですよね。CSRとして社会に開示できるような活動をできる企業は、余剰な所得を獲得した企業でしょうから、因果関係を無視すれば、CSRを高めれば、企業価値が上昇するというおかしな議論になります。むしろ、余剰資源を有する企業がマスコミ的なCSRに資源を使用できるということでしょうか。余剰資源とは、費用で説明できない収入を獲得している企業ですから、社会に還元すべきでしょう。
また、楽しい議論を期待します。
投稿: 亀川雅人 | 2009年1月20日 (火) 午前 12時17分
亀川先生へ
菊澤です。
コメントありがとうございます。
ここ数日、体調を崩してブログから遠ざかっていました。先生からのコメントに驚きました。
私は、最近のCSRの研究には不満をもっており、さらに原理的な分析が必要だと思っております。
しかし、われわれ研究者は弱い人間なので、どうしても企業に気に入られるようなCSR研究になってしまうように思います。
機会がありましたら、CSRについてもお話したいと思っておりますので、どうかよろしくお願いいたします。
投稿: 菊澤 | 2009年1月21日 (水) 午後 05時35分