慶応大学菊澤ゼミナールHP

私の趣味

私の著書

« 知性的世界つまり世界3とは | トップページ | あっという間に8月も終わり »

2008年8月27日 (水)

知的読者に感謝したい

 最近は、いたずらに「戦略論」や「コーポレート・ガバナンス」「CSR」「コンプライアンス」などのはやりの言葉を多用し、読者を誤った理解に導く、コンサルタントや一般の人々が書く、売れせんの本が多い。そして、この曖昧さを利用して、生き抜く、ずるい学者も多い。

 このような状況は、アカデミックるな学者の責任でもある。とくに経営学者は長い間何も役に立たないことばかり議論し、現実の社会に貢献してこなかったからかもしれない。ニックリッシュ、シュマーレンンバッハ、バーナード、サイモン、ドラッカーの学説解釈に多くの時間を費やしていた。(私自身はいまでもこのような議論は役に立つと思っているが・・・)

 しかし、そういった一見役に立たない議論の中でも、言葉の定義には厳しかった。用語法に関しては、学問的な品があったのだ。私の学生時代は、そうだった。とにかく、うるさかった。しかし、いまはそれもなくなった。こうして、学者の議論はある意味で衰退し、堕落した。

そして、いまは、コンサル万能の時代。特に、「戦略論」分野は。!!!!

しかし、私は時代に反抗して、そんなことは許さん、という思いがある。最近の私の一連の著作をみて、私が売れせんの本しか書かない堕落した学者と思うかもしれない。しかし、そんなことはないといいたい。私の著書を真剣に読んでいただければ、きっとわかるはず・・・

こうした思いの中、拙著『戦略学』に関する非常に素晴らしい書評をを見つけたので、紹介したい。こういった知的読者に、感謝したい。

http://louise200.exblog.jp/9354730/

« 知性的世界つまり世界3とは | トップページ | あっという間に8月も終わり »

6)菊澤の著書の説明」カテゴリの記事

コメント

菊澤先生

 はじめまして。ご紹介いただいたブログの管理人のcredenzaと申します。

 素人が好き放題に書き散らした書評(もどき)をお読み頂いた上、またうれしいコメントまでも頂戴し、穴があったら入りたい気持ちでおります。

 戦略、特に経営戦略については全くの素人ですので先生の御著書を書店で拝見したときには、やっと軍事・経営両戦略を包含した判りやすい戦略論の本が出た、とうれしくなり、早速求め一気に読ませていただきました。

 感想はブログに書かせていた通りですが、なにしろこれまで判ったような判らなかったような言葉に振り回されるばかりで歯切れが悪かった戦略理論が平明に説明されており、何か胸のつかえが取れたような気分になりました。

 他方で、キュービック・グランド・ストラテジーにつきましては大変面白い視点であり、また、すでに御著書にもありますが、軍事面でも応用が利く点、まさに軍事から出発した戦略論が、あらたに別の次元に入り回帰してきたかのような感じを受けました。是非次回の御著書ではスタティックな意味でCGSの効果を検証いただくとともに、CGS理論に基づいた戦略立案(ちょっと言い回しが変ですが・・・)についてさらに解説いただければ大変うれしく、今から楽しみにしております。

 フランスには古代オリエントから核戦略まで、有名な軍事戦略書のエッセンスを纏めた「戦略大全」(Anthologie mondiale de la strategie, Gerard Chaliand, Lafont書店)なる1500ページちかい本があるのですが、その前書きに「日本については、驚くべきことに、『孫子』に匹敵するような戦略に関する翻訳された書物がみつからなかった。近代日本の戦略はマハンとモルトケの影響がつよい。」とだけあり、読むたびに寂しい思いがしておりました。

 どなたかも述べられていましたが、是非CGSを日本発の戦略論として発展されることを心よりお祈りいたしております。

 私は経営等については全くの門外漢ですし、もう大学を離れて20年ちかくなりますが、このような新しい理論を展開される先生のゼミで勉強している学生諸君は幸せだなぁ、うらやましいなぁと御著書を読んで感じた次第です。

 ありがとうございました。

 credenza拝

credenza様

菊澤です。コメントありがとうございます。

 拙著『戦略学』に関して、大変、すばらしい書評を書いていただき、感謝しています。

 本書でねらった点を読み取ってくださるとともに、CGSをめぐる議論の弱さ、弱点を見事に読みとっていただき、驚いています。私自身も、弱いと思っていた点です。

 さらに、今回も、「スタティックな意味でCGSの効果を検証」というご指摘、ありがたいですね。

 とても励みになります。今後とも、よろしくお願いします。

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/132127/42289124

この記事へのトラックバック一覧です: 知的読者に感謝したい:

» 8月の本棚-菊澤 研宗著 『戦略学』 ~軍事戦略と経営戦略をつなぐ本 [ブリュッセル→東京 日々つれづれ]
23 Aug.08 sat  7月の『あたらしい戦略の教科書』の影響ではありませんが、立て続けに2冊戦略の本を読みました。  一冊目は、名著『失敗の本質―日本軍の組織論的研究』の続編として出ていた『戦略の本質ー戦史に学ぶ逆転のリーダーシップ』。3,4年ほど前にハードカバーで出ていたものがこのたび文庫化されたので改めて読み直したものです。  正直いって、前作の『失敗の本質 』には及びませんし、商売上やむを得ないのは理解できますが、あまりにも戦争の帰結をリーダーシップに結び付けている点... [続きを読む]

« 知性的世界つまり世界3とは | トップページ | あっという間に8月も終わり »

2018年10月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31