本とサイン
昔、ダイヤモンド社から『組織の不条理』2000年を出版した。
当時、私はまだ若くて、学者としてもまったく無名、「ペイペイ」という擬声語で表現できるような存在だった。もちろん、いまも、無名に近いのだが・・・・、そんな私に、こともあろうことか、「本を買ったので、サインをしてほしい」という読者が当時何人かいた。
「サインなんて」と私も恥ずかしい気持ちで応じたことをいまも思い出す。「こんな無名の人間のサインを本に書いたら、古本屋で本を売るときに、逆に安くなるのにあー・・・馬鹿だなあー」と思ったし、いまも思っている。とても申し訳ない気持ちになったことを思い出す。
また、私自身、字が下手なので、この点でもサインは嫌いだ。大学で最近授業評価とうものがはやっているのだが、日大では大抵黒板の字が汚いので、なんとかしてほしいというコメントがある。
しかし、このダイヤモンド社『組織の不条理』がいま絶版になっており、現在、アマゾンで中古が販売されているが、その値段が5000円以上している。
アマゾン『組織の不条理』
この値段を見て、昔、この本にサインした人に対して、何か義理を果たしたような気持ちになってしまう。
しかし、私のサインがなければもっと高くなるかなあ~
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はじめまして。勝間和代さんの「効率が10倍アップする新・知的生産術」で「組織の不条理」が取り上げていることも1つの理由かもしれませんね。
投稿: RayC | 2008年2月10日 (日) 午後 03時19分
菊澤です。
コメントありがとうございます。
上記のことも理由のひとつだと思いますが、一番大きい理由は、拙著『命令違反が組織を伸ばす』光文社新書が昨年出版され、それに影響されて過去に遡って『組織の不条理』にたどり着いた人が意外に多いと思います。
『組織の不条理』での論調は、まだ若い感じが残っていて面白いという読者からの意見もいくつかいただいています。
投稿: 菊澤 | 2008年2月10日 (日) 午後 04時45分