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2006年3月

2006年3月26日 (日)

経営学者って何?

 23日は、母校慶応義塾大学の卒業式だった。卒業式の日時を知っているなんて、なんて愛校心があるやつだと思ってはいけない。慶応では、卒業して25年目になると、募金させられ、その代わりに卒業式に招待されるのだ。まさに、今年は卒業後25年目だったのだ。

 しかし、あいにく、その日は経営哲学学会の部会があり、私は光栄にもキッコーマンの茂木副会長の発表のコメンテータに指名されており、卒業式には参加できなかった。

 学会は、面白かった。茂木副会長は非常にスマートな方で、さすがに話もうまく、見事にパワーポイントを使いこなされていた。内容もアカデミックで、質問も沢山でて、学会は盛り上がったし、私自身も非常にやりやすかった。

 しかし、茂木キッコーマン副会長のようなケースは実は非常に珍しいのだ。

 

 最近、経営学関係の学会では、実務家、企業人に発表してもらうケースが非常に増えている。これは、ある意味で反動なのだ。これまでの日本の経営学者はバーナードなどの学説研究が中心で、現実とはかなり乖離する傾向があったのだ。その反動ではないかと思う。あるいは、学会に人が集まらないので、集めるための手段かもしれない。

 確かに、企業の方の話は面白いし、役に立つことも多い。しかし、実務家の話は常に非常にリスキーなのだ。話がうまくない人も多くいて、学会にはなじまない発表や講演も何度かみた。つまり、学会の場が壊れてしまうのだ。

 さらに、もっと厄介なのは、企業人の発表に対しては、われわれ学者は厳しい質問はできないのだ。この点が、学者として非常にストレスのたまるところでもある。相手が学者ではないので、やはり気を使ってしまうのだ。気持ちよく話をしていただき、気持ちよく帰っていただきたい・・・・のだ。

 このように考えると、「われわれ経営学者って何?」ということになる。経営学者は何をする人たちなのか。この問いが頭をかすめることになる。

 昔、私の知り合いの経済学者からこんな皮肉を言われたことがある。「経営学者はおもしろい。日経新聞のやさしい経済学を読んでいると、経営学者は”**社の社長によれば”という言葉がやたらに多いので、企業経営者に教えてもらっているような印象を受ける。だとすれば、やはり経営学者はいらないのではないか。われわれ経済学者は、逆に企業経営者に教えてやるんだという気持ちで研究しているのに・・」

 このような時代の傾向をみていると、われわれのような中堅の経営学者がしっかりしないと、実務経験のない若い経営学研究者、特に博士課程の学生はつらいなと思う。

2006年3月15日 (水)

軍隊のケーススタディと不思議な反応

 今から5年ほど前に、『組織の不条理ーなぜ企業は日本陸軍の轍を踏みつづけるのか。』という本をダイヤモンド社から出版した。

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/447837323X/ref=pd_ecc_rvi_2/249-0990828-8475548

 この本は、新制度派経済学、組織の経済学を用いて、日本軍の不条理な行動を分析する内容となっており、ケースとして「ガダルカナル戦」「インパール作戦」「ジャワ軍政」「硫黄島・沖縄戦」における日本軍の不条理な行動と条理な行動を分析したものだ。

 これら日本軍のケースを、これまで防衛大学校の学生や中央大学アカウンティングスクールの社会人学生に対して、ケース・スタディとして講義してきた。また、人事院研修で公務員の方々にも講義した。さらに、1度だけ、立教大学の学部学生にも講義した。

 こうした経験の中で、私の常識を反証するようなことが起っている。

 私の偏見的常識とは、「このような軍隊の事例を女性は好まない。それゆえ、女性が多いクラスでは、このようなケース・スタディを行うと、嫌われる。だから、避けたほうよい。」というものだ。社会人の女性は人生の荒波にもまれているので、まだこのようなケースに耐えられるかもしれないが、学部の女学生はどうだろうか。

 女性がいるクラスでは、できるだけ避けたほうがいい。これが私の現在の心境だ。

 しかし、立教大学で1度だけ「ガダルカナル戦」を取引コスト理論で分析する講義をしたとき、別の経験をした。

その講義はいつもと違う雰囲気があり、学生はシラケていたように感じられ、私は完全に失敗したと思った。そして、講義が終わり、前に座っていた男子学生に感想を求めたときも、「すこし時代遅れの感じがした」と遠まわしに・・・。私は二度とこのような軍隊の事例を扱う講義はしないと堅く心に決めた。

 ところが、その後の授業評価アンケートをみると、かなり多くの女子学生からあの日本軍のケースには感動したという意見が書かれており、こちらが驚いた。むしろ、もっとやってほしいとの意見もあった。この同じような印象を、実は中央大学のアカンウンティングスクールでも感じた。

 また、中央アカウンテングスクール開校のパティーで会ったマッキンゼーの本田桂子さんも、すでに私の『組織の不条理』を読んでいてくれていて、当時、感動したことを覚えている。

 さらに、『ダイヤモンド・ハーバード・ビジネス・レヴュー』の編集担当の榎本佐智子さんも秋山真之に関心をもち、「兵法の戦略学」を企画したという。

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0007W4YWG/qid%3D1110432203/sr%3D1-2/ref%3Dsr%5F1%5F2%5F2/249-0990828-8475548

 これは、偶然なのか。あるいは、私が出くわしている女性がたまたまそうなのか。あるいは、最近の女性の傾向なのか。あるいは、昔からそうなのか。むしろ、男性の方が軍事を敬遠しているように思う。

 これはどういうことか。よくわからない。

 こういった心境なので、いまだ学部学生に対して、怖くて軍事のケーススタディはできないでいる。

 とにかく、わからない。

 

2006年3月11日 (土)

退官・新歓パーティー

 3月初めに慶応義塾大学商学部の退官・新歓パーティがあった。

 私は、何回も大学を移籍しているが、すでにおられる先生方と最初に対面するのは緊張するものだ。もちろん、私は商学部出身であるが、当時私が習っていた先生方もかなり定年され、面識のある先生は少なくなっていると思えたので、やはり緊張してパーティにいった。普段なら、10分ぐらい遅れても・・・・と思う私も、5分前には・・・という感覚だった。

 しかし、会場に行ってみると、私が学部時代・大学院時代に習った長老先生方が沢山いた。みなさん名誉教授で、パティーがあると、招待されるそうだ。驚いた。白石先生、野口先生、笠井先生、藤森先生、山口先生に会えるとは思わなかった。みんな私をみて、少し太ったね・・・

 また、私と入れ替わりに、退官される先生が、堀田、赤川、唐木先生たちであることに驚いた。私が大学院生のぺいぺいの頃、よくお酒の場でお世話になった先生方だ。私が、慶応に戻ってきたことを本当に喜んでくれ、ありがたいと思った。

 しかし、もっと嬉しかったのは、同期の岡本チャン(大チャン)と高橋(マーケ)さんが歓迎してくれたことだ。彼らとは、学部時代からの知り合いだ。研究分野は異なるが、彼らは非常に優秀で、ともに競って研究した友人たちだ。

 さらに、黒川先生とも昔からなぜか、面識があり、今度、設立されるアカンウンティングスクールについてお話した。私は4年間中央大学のアカウンティングスクールで経営学を教えていたので、話は弾んだ。

 また、私がいま行動ファイナス、行動経済学、経済心理学に関心をもっていることに、非常に関心をもってくださった金子先生や樋口先生とも少しお話ができて、嬉しかった。

 樫原先生と堀越さんは、私が学部時代から教えを受けた先輩先生たちだ。そして、何よりも兄弟のように親しいのは、榊原さんと渡部さんだ。私の良いこと・悪いことみんな知っているのだ。

ということで、慶応にもどれて良かった。

改めて、私の先生である故小島三郎先生の偉大さを実感した。

私の人間関係はすべて先生のおかげなのだ。

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