東欧での交渉術
海外に行ってお土産を買うときは、注意しなければならない。はじめに、相手は法外な値段をいってくるからだ。だから、買う前には、「デイスカウント プリーズ」といって、一度は交渉した方がいい。呪文のように、「デイスカウント プリーズ、デイスカウント プリーズ・・・・・」
日本人は、こういった買い方に慣れていないので、言われたまま買ってしまう人が多い。そうすると、売ったほうの外国人もびっくりして、本当にこの値段で買うのかという不安な顔をしたりする。
東欧諸国、例えばハンガリーのブタペストやチェコのプラーハで交渉するときは、注意が必要だ。お土産品を売っている露店で女性が販売している場合、「デイスカウント・プリーズ」とお願いしても、ほとんどまけてくれない。交渉するならば、男性の露店をターゲットにした方がいい。男性のほうがまけてくれる確率は非常に高いというのが私の観察だ。
これは、男女差別にもとづく私のバイアスのかかった分析ではない。所有権の問題なのだ。つまり、露店の女性販売員のほとんどは、隣接する露店の男性に雇われているのだ。彼女たちはお店や商品を所有していないので、そもそも値引きする権限をもっていないのだ。
だから、もし交渉するならば、所有者であり、所有権をもっている確率の高い男性が販売している露店をターゲットすべきなのだ。これが東欧での交渉術だ。こういった東欧事情に気づいたとき、なぜか、私は、有名なイタリア映画の「道」を思い出した。
みんな「道」という映画を知っているのだろうか?
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