ビジネススクールへの誤解
日本の大学では、若者が減ったために、社会人をターゲットとするビジネススクールが設立されている。他方、社会人も、ここ10年以上続く不況を生き抜くために、ビジネススクールに期待し、最低でもMBAは欲しいという人が多い。
私も、現在、アカウンティングスクール(ビジネススクール)で教えているが、いくつかギャップを感じることがある。以下、それを述べてみたい。
(偏見1)米国の有名ビジネススクールの先生は実務出身者が多い。
私のNYUのスターンスクールの経験では、これは間違っているのではないかと思う。有名ビジネススクールの先生が実務家へと転進することはあっても、その逆は少ないように思う。というのも、米国のビジネススクールでは学者として「終身雇用権:テニュア」を取るのは非常に難しく、とにかく有名なアカデミックなジャーナルに何本論文を発表するかが勝負となる。ときどき、先生と学生との間に盗作問題も起る。また、有名な経済学者も経済学部よりもビジネススクールにいるケースが多いのだ。
(偏見2)大学院の授業は少人数で行なうものだ。
これは明らかに間違い。米国のビジネススクールでは、人気のある先生の講義ほど超大教室。少人数の授業は人気がなく、つぶされる可能性すらある。有名なビジネススクールは博士課程を持っていて、そこで少人数で授業が行なわれている。
先生もそれを意識し、ビジネススクールでは学部レベルより少し高度で人気がでる講義をし、チューターをうまく利用する。そして、博士課程でアカデミックな講義・演習を行なっているのだ。
他にもあるが、今後、ビジネススクールを志望する人は、いろんな角度から徹底的に大学や教員の質を分析しないといけないと思う。特に、どこにでも入れるような優秀な人は・・・・・
ガンバレ!!
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