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2005年11月

2005年11月24日 (木)

金儲けの学問で何が悪い、経営学

 経営学は、これまで「金儲けの学問」という名の下に多くの人々から批判されてきた。何か卑しい学問にみられるのだ。だから、イギリスやフランスなどヨーロッパでは、経営学はそれほど発展しなかったのだ。

 このような風潮は日本でも広くいきわたっていたので、「あなたの人生の目的は?」と聞かれて、「金儲けです」などといってしまうと、軽蔑のまなざしでみられたものだ。なぜ金儲けは軽蔑されるのか。理由はいろいろあるが、やはり金儲けは人をだましてとか、不正をしてとか、権力を利用してとか・・・・何か非合法的なことと結びついたからだと思う。

 しかし、最近の状況は違うように思う。金儲けは、非常に難しいのだ。人をだまして、儲けられなくなったからだ。不正をして金儲けすることが難しくなったからだ。権力を利用しても儲からないかならだ。お金を儲けるには、能力が必要なのだ。能力のあるものがお金を沢山儲ける時代になりつつあるのだ。このことを認識する必要があるように思う。

 NHKの番組で子供同士の討論会の番組で、「将来何をしたい」という質問に、ある子供が「お金を儲けたい」といったとたんに、その子供は多くの子供から批判されていた。私は、思わず「なぜ批判するのか。お金儲けは能力がなければ難しいぞ。お金を儲けるために、自分の能力を正々堂々と発揮して何が悪い。」と心の中で叫んだ。

 さて、この同じことが、経営学者にもいえる。昔は、偉い学者ほど、売れる本など書かない。売れなくてもいい本を書く学者こそ、学者の中の学者という常識があった。しかし、時代は変りつつある。一般読者もかなり知識が豊かになった。だから、売れる本を書くのは本当に難しいのだ。学生に無理やり買わせる本よりも、一般人が喜んで買ってくれる本を書くほうがはるかに難しいのだ。これは、経営学者としてある意味で勝負なのだ。

 以上のような考えを持っているので、最近、「売れる本を書くことが目的だ」ということにしている。おかしいかな・・・・・・・

 

 

 

 

2005年11月20日 (日)

学会賞受賞について

 今年、拙著『比較コーポレート・ガバナンス論』で「第1回経営学史学会賞」を頂いた。大変、ありがたい。私は、これまで学会賞というものに縁がないものと思っていた。

 この学会の全国大会が開かれる数日前に、突然、電話がかかってきて、受賞の言葉をお願いしたいという連絡を受けた。私は驚くとともに、不安になった。実は、この大会を欠席する予定で、ホテルを予約してなかったからだ。

 私は、これまで学会というものにあまり関心がなく、最近は発表する場合か、司会を頼まれるか、コメンテーターを頼まれるときしか行かないことにしていた。参加しても、私のようなアウトサイダーを知る人は少ないので、「寂しい思いをするのはいやだなあ・・・」。こんな心境だからだ。こんな不届きものに対して、他薦で賞を与えてくださった経営学史学会には、本当に、感謝したい。

 以上のような意味で、一般に学会賞は政治的に決まるものとおもっていたが、そうでもないことが、私の受賞で証明されたようだ。しかし、ほとんどの賞は、本来、偉い審査員先生のお知り合いが受賞すると思っているのは、私だけだろうか。不信、不信・・・・・・

 

意味論的矛盾

 意味論(セマンティックス)とは、言語と実在が一致するかどうかをめぐる研究のことである。昔、「机」という言葉は「実存する対象」に対応するのかどうか。対応すれば、その言葉は「有意味」であり、対応しなければ「無意味」。では、その対応関係をどのように証明するのか。こういった議論が、昔、ウィーンを中心に展開された。

 このような議論に影響されて、かの英国のバートランド・ラッセルは「この文章は5文字からなっている」というのは、意味論的矛盾であるといった。というのも、この文章は、15文字からなっているからだ。

RUSSELL5

 こういった意味論的矛盾を、われわれはよく見かける。法を守る番人になる予定のロースクールの学生が赤信号を無視する。これは、意味論的矛盾か。もしこの学生が「法と経済学」を学んでいれば、必ずしも意味論的矛盾ではないかもしれない。

 このブログを読んでる方で、上記の文の意味がわかれば、かなりアカデミックである。どうでしょうか。

2005年11月13日 (日)

香港での失敗:トイレマンにご用心

CIMG0863  香港で大失敗した。これは、無知によるものだ。香港のホテルのトイレに入るときは、注意が必要だ。そこにはトイレマンがいる。用が終わると、タオルや紙をくれる。

 彼は親切なおじさんでは決してない。その後、チップをあげなければならないのだ。このような習慣を、私は全くしらず、香港島にあるマンダリンホテルのトイレに入った。そして、親切なトイレ掃除の途中のおじさんからタオルをもらって、さっさと出てきた。

 そのおじさんは、きっと怒っていたのだろうな。無知は、強いし、怖い。

香港大学で

CIMG0865 CIMG0885

 10月末から11月はじめに、香港大学にいった。興味深かったのは、香港大学は「ホンコン、U(ユー)」と呼ばれているらしい。

 香港大学は、香港島の山の斜面を利用してキャンパスが広がっており、非常に複雑な構造になっているが、とてもいい雰囲気の大学だ。

  コーポレート・ガバナンスに関して、香港大学の法学部の先生と話をした。議論も面白かったが、何よりも香港大学の研究室のドアがみな黄色であったのが、非常に印象的であった。多分、風水だ。お金に関わる色が黄色だ。

 香港大学には、所有権理論で有名なスチーブン・チェーン教授がいる大学である。学部が異なるためか、お会いした法学部先生は知らないといっていた。残念。

 機会があったら、今度はスチーブン・チェーン教授に会いたいと思った。

 

上海でのシンポジウムのこと エピソード2

CIMG0791

 中国、上海では、多くの役職を担当している大学の先生は偉いという価値観があるようだ。だから、名刺には、できるだけ「・・・・科長」「・・・・委員長」「・・・・会長」などの役職を併記した方がいいらしい。

 だから、中国通の先生は、日本で使う名刺と中国で使う名刺を使い分けているという話も聞いた。すごい。私の名刺は、中央大学教授だけだ・・・・・・、この名刺では弱そうだ・・・と思った。

 実際に弱かった。

 上海理工大学の偉い先生と最初に会い、挨拶をして名刺を交換した。形式的な挨拶をして握手した。どうも、無関心らしい。あまり反応がなかった。続いて、私の後ろにいた慶応大学藤沢校の任期付き助手の女性が名刺交換をした。すると、その偉い先生は、下手な英語で「very famous university・・・●×▲!!!」といって、態度が豹変した。

 中国上海では、中央大学はあまり知られていないようだ。そういえば、最近の新聞記事で、韓国の中央大学からスターが沢山でているというのがあったが、そちらのほうが有名かもしれない???残念!!!。

上海でのシンポジウムのこと エピソード1

CIMG0790  9月に、上海理工大学でシンポジュムがあった。はじめての上海であったったこともあって、驚くことが多かった。

 これは、一般論ではないが、今回は意外に英語を話す先生が少なく、国際交流研究所の所長が英語を話すので、自然と彼と話す機会が多くなった。本当は、行動経済学、経済心理学の研究している先生と話したかったが、その先生はあまり英語がうまくなかったので残念であった。

 さて、上海では、復旦大学と交通大学が超有名な大学ということも、今回初めて知った。シンポジュムの報告者の一人として復旦大学のかなり年配の先生が「東方哲学」というテーマで話だし、時間もすべて無視して講義を始めた。これには驚いた。あまりに偉いので、司会者も誰も止められないようだ。困った・・・・・・

 やっと質問タイムに入った。最初に質問したのは、中国の田舎の大学からやってきた女性の先生で、「先生の講義を聴けて本当にうれしい・・・・」などゴマをすったので、復旦大学の先生はとても上機嫌だった。

 私は、せっかく日本から来たのに、時間を無視して学部レベルの講義をきかされたとの思いもあって、質問することにした。質問は、こうである。

「日本企業は生産性を高めるために、これまで経営管理論を中心に研究してきた。しかし、最近、日本人は、日本企業の弱点は戦略思考がなかった点であるということに、気がついてきた。そこで、日本の学者は米国流の戦略論に関心ももっているが、企業人の多くは実は貴方の国の「孫子」に関心をもっており、多くのことを学びたいと思っている。先生の本日の講義は管理論が中心であったが、孫子の兵法や戦略論についてはどのような考えをもっておられるのかお聞きしたい」

 これに対して、復旦大学の先生曰く、「それは私の本に書いてあるの読んでくれ」、また「それについては私の大学の授業で話をしているので、授業を聞きにきて欲しい」。

 私は、唖然とした。その後、2、3人がいい質問をしていた。しかし、その答えは、すべて同じだった。「それについては、私の本に書いてあるので、読んでれ」、「それについては私の大学の授業で話をしているので、授業を聞きにきて欲しい」で見事に通したのだ。びっくりした。

 復旦大学の先生は偉い。面白い。すばらしい。貴方が大将!!!!!

2005年11月 4日 (金)

人の温かさと冷たさ

 今日は、午後、大学で会議があるために、いつものように電車に乗って出かけた。11月8日が「ダイヤモンド・ハーバード・ビジネス・レヴュー」の2校の原稿締め切りだったので、電車の中で修正を行なっていた。 突然、鼻水のようなものが鼻の中で流れた。それは、鼻血であった。血がどんどん流れてきた。実は、朝から出ていたのだ。

 驚いて電車を降り、ハンカチで鼻を押さえた。東神奈川駅だった。ホームでしゃがんで、鼻血を抑えていると、沢山の人が、やってきて「これを使いなさい」とティシュやタオルなどを差し出してくれた。うれしかった。多くの人があまりにも親切にしてくれるので、逆に申し訳なくて、駅の階段を上り、トイレで、血が止まるのを待った。

 トイレの手洗いで、鼻にティシュを詰め込んで、鼻血が止まるのまっていると、トイレにやって来る人は、「邪魔だ、邪魔だ」という顔で私を眺めていった。みなとても冷たかった。鼻血が止まらないし、また出てくる可能性が十分あったので、今日は大学に行かず、医者に行くことにした。

 運悪ことに、大学事務室の電話番号がわからない。結局、自宅にもどって、大学に会議欠席の電話し、自宅で血止まるを待ち、医者に行った。どうも血圧が高いらしい。

 今日は、人の温かさと冷たさを両方みた。今日、私を助けてくれた方、感謝しております。

 

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