慶応大学菊澤ゼミナールHP

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2017年8月21日 (月)

ケイパビリティ・アプローチ

  ティースのダイナミック・ケイパビリティ論とアマルティア・センのケイパビリティ・アプローチの関係が気になっている。

  ティース教授は、自分のダイナミック・ケイパビリティとセンのケイパビリティ・アプローチとは、異なるものとしているが、取り込めば、もっと議論が理論的かつ補強されるように思える。センの議論は、定義など非常に明確になっているので・・・

2017年8月16日 (水)

インパール作戦はいまでも考察する価値がある。

  昨日のNHKのインパール作戦は面白かった。

  第15軍司令官牟田口廉也中将は、「5000人死ねば(日本兵)、あれは取れる」
といった感じで作戦を展開していたという。

  これを、若き齋藤少尉が聞いて、愕然としており、
最後にいまだ生存している彼がこれを思い出し、
号泣している姿は、まさにドラマだった。

  しかし、牟田口のように、前線で長く戦っていた人間は、
感覚がマヒするのではないか。
よく、兵士がはじめは死体をみて驚いたが、
そのうち慣れてきて何とも思えなくなったという
証言をしているように。

  こういったことを考えると、ベテランとか、現場主義とか、
業績主義だけでは、限界があることがわかる。
環境に鈍感になるのだ。

●インパール作戦に関心のある人は

菊澤 研宗: 組織の不条理 - 日本軍の失敗に学ぶ (中公文庫 き)

菊澤 研宗: 組織の不条理 - 日本軍の失敗に学ぶ (中公文庫 き)

2017年8月15日 (火)

空気、忖度、そして大和特攻(現代ビジネス)の記事

講談社のWEBサイト「現代ビジネス」に拙稿が掲載されました。

『戦艦大和「特攻」の大失敗にみる、「忖度」の本質』

●現代ビジネスのサイト

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/52589

従来の山本七平の空気論は非合理的あるいは非科学的説明ですが、そのために、空気論は無責任論と結びつき、さらにそこから空気という言葉が悪用されているように思います。しかし、空気は合理的に発生し、やはり決定者は人間であることを取引コスト理論で説明しました。

関心のある方はぜひ一読お願いします。

菊澤 研宗: 組織の不条理 - 日本軍の失敗に学ぶ (中公文庫 き)

菊澤 研宗: 組織の不条理 - 日本軍の失敗に学ぶ (中公文庫 き)

2017年8月14日 (月)

秋の夕学五十講に登壇します(10月24日丸ビル)

今年の秋10月24日に夕学五十講(丸ビル)に登壇します。テーマは、「日本軍の失敗に学ぶ『組織の不条理』です。

今回は、「空気」の不条理について、日本陸海軍の事例を用いて、お話する予定ですので、関心のある方は、ぜひご参加ください。

●後期の予定

https://www.sekigaku.net/Sekigaku/Upload/attacned_news_708.pdf

●夕学五十講のHP

https://www.sekigaku.net/Sekigaku/Default/Normal/SekigakuTop.aspx

菊澤 研宗: 組織の不条理 - 日本軍の失敗に学ぶ (中公文庫 き)

菊澤 研宗: 組織の不条理 - 日本軍の失敗に学ぶ (中公文庫 き)

コンサルティングファームBOSS & Partners福島社長

菊澤です。

コンサルティングファームのBOSS & Partnersの福島社長に、拙著「組織の不条理」を取り上げていただき、感謝しております。

拙著『組織の不条理』についての明快な説明がなされています。ぜひ一読お願いします。

●BOSS & Partners

http://bossptr.com/?page_id=2533

菊澤 研宗: 組織の不条理 - 日本軍の失敗に学ぶ (中公文庫 き)

菊澤 研宗: 組織の不条理 - 日本軍の失敗に学ぶ (中公文庫 き)

2017年8月11日 (金)

8月23日広島大学での講演:空気の研究

8月23日に広島大学で講演します。まだ、参加が可能なようです。

今回は、日本人組織に特有の「空気」による決定について、                                            山本七平の大和特攻の事例を取り上げつつ、お話する予定です。

今年、「忖度」という言葉がはやりましたが、これと「空気」という言葉は関係しているように思います。みなさんはどう思いますか?

日本人組織の本質は変化したのか。

「空気を読んで、組織は合理的に失敗する」がテーマです。

●広島大学高等教育開発センター

http://rihe.hiroshima-u.ac.jp/2017/07/h29-823-24/

2017年8月 2日 (水)

前期試験に関する中間報告2

菊澤の試験試験に関する情報
評価基準
90点以上:S
80点以上:A
70点以上:B
60点以上:C
ーーーーーーーー
59点以下:D不合格
●日吉の経営学について、3つのうちの最後の問題は、
講義に出席していたかったかどうか、まじめに資料を集めたかどうか
がわかる問題であった。この問題が解けないと、アウトになる確率が高い。
●第3問について、所有と経営の分離、所有と支配の分離だけ書いた人は誤り。
それは、過去問を書いたにすぎない。企業の目的問題、企業理論問題、企業の社会的責任問題、コーポレート・ガバナンス問題について説明することが正解である。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
●三田の経営経済について、問2は良い問題であった。
取引コスト理論を新古典派経済学の一つであると書いている学生が意外に多くいて、
驚いた。このような回答は致命的な誤りであり、即刻アウト。

●中には、新古典派経済学と新制度派経済学を間違えた人もいるかもしれないが、
この誤りも致命的であり、この講義や試験自体を否定するような回答となるので、即刻アウト。
●また、今回は、取引コスト理論、エージェンシー理論、
所有権理論を理解しているかどうか、この点に注意して採点した。
怪しい回答は、すべて誤りにした。
●ダイナミック・ケイパビリティについては、「講義で説明した範囲で」が問題となっている点に注意してほしかった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
以上、厳しい結果となりました。

2017年7月31日 (月)

前期試験に関する中間報告

試験に関する情報

評価基準
90点以上:S
80点以上:A
70点以上:B
60点以上:C
ーーーーーーーー
59点以下:D不合格

●日吉の経営学について
今年は、問題数を4つから3つに減らしたため、
1つ解けないと、ほぼ不合格になる。今年は、Dが多い。

●問題数が減少したために、勉強し準備してきた学生と
準備してこなかった学生が明確になった。

●出来の良いクラスと出来が悪いクラスがある。

●三田の科目についてはこれから採点する予定。

2017年7月 2日 (日)

YKKとダイナミック・ケイパビリティ

  先日、黒部にあるYKKに行って来ました。ダイナミックケイパビリティを持つ日本の多国籍企業として最も注目しています。

副社長から、最新の情報をたくさんいただきました。また、拙著「組織の不条理」を愛読していただいており、感謝しています。

菊澤 研宗: 組織の不条理 - 日本軍の失敗に学ぶ (中公文庫 き)

菊澤 研宗: 組織の不条理 - 日本軍の失敗に学ぶ (中公文庫 き)
     

 近いうちに、YKKについて論文を書きたいと思っています。

画像に含まれている可能性があるもの:2人、屋外、室内

関東部会終了

 もうずいぶんたってしまったが、経営哲学学会の関東部会、たくさんの方に参加していただき、感謝しています。ダイナミック・ケイパビリティをめぐって、非常に興味深い議論が展開されました。

 画像に含まれている可能性があるもの:1人以上、室内

画像に含まれている可能性があるもの:4人

2017年6月13日 (火)

6月17日経営哲学学会関東部会への招待

菊澤です。

経営哲学学会関東部会のお知らせです。

関心のある方は自由に参加できます。

非学会員の社会人も参加費1000円で参加できますので、

関心のある方は遠慮なく、きてください。

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今回のテーマは、ダイナミック・ケイパビリティ論への哲学的アプローチについてです。

少しマニアックな話題ですが、経営学上では、盛んに議論されているテーマです。

先日、ダイナミック・ケイパビリティの創始者であるデイビット・ティース先生が

東京に来られたので、会ってきました。楽しかったです。(私のバークレー留学中のいわゆる指導教授です)

画像に含まれている可能性があるもの:1人、立ってる、スーツ

今回は、新進気鋭の慶應義塾大学教授の三橋先生、慶応義塾大学常任理事の渡部先生がコメンテーターなので、エキサイティングな部会になりそうです。学問に関心のある人はぜひ遠慮なく、来てください。

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経営哲学学会関東部会(シンポジウム)

●慶応義塾大学三田校舎

日時:6月17日土曜日14時から

場所:南校舎455教室

学会員以外も参加可能です。

関心のある人はぜひ参加してください。(参加費1000円)

●テーマ:ダイナミック・ケイパビリティ論への哲学的アプローチ

司会:三橋 平(慶応義塾大学)

 

(3人の報告各30分→休憩→2人のコメント各20分→討論)

報告者

1)永野寛子(立正大学)

  ダイナミック・ケイパビリティ論とネオ・カーネギー学派

2)石川伊吹(立命館大学)

  ダイナミック・ケイパビリティ論のミクロ的基礎と批判的合理主義

3)菊澤研宗(慶応義塾大学)

  オーディナリーとダイナミック・ケイパビリティの境界設定問題

---------休憩--------------------------

コメント

三橋 平(慶應義塾大学

渡部直樹(慶應義塾大学)

昨年の様子

画像に含まれている可能性があるもの:1人、座ってる、室内

画像に含まれている可能性があるもの:1人以上、座ってる(複数の人)、テーブル、室内

画像に含まれている可能性があるもの:1人以上、座ってる(複数の人)、室内

2017年5月22日 (月)

6月17日土曜日 経営哲学学会関東部会のお誘い

経営哲学学会関東部会(シンポジウム)

●慶応義塾大学三田校舎

日時:6月17日土曜日14時から

場所:南校舎455教室

 

学会員以外も参加可能です。

関心のある人はぜひ参加してください。(参加費1000円)

 

●テーマ:ダイナミック・ケイパビリティ論への哲学的アプローチ

 

司会兼コメンテータ:三橋 平(慶応義塾大学)

   コメンテータ:渡部直樹(慶應義塾大学)

(3人の報告各30分→休憩→2人のコメント各20分→討論)

 

報告者

1)永野寛子(立正大学)

  ダイナミック・ケイパビリティ論とネオ・カーネギー学派

2)石川伊吹(立命館大学)

  ダイナミック・ケイパビリティ論のミクロ的基礎と批判的合理主義

3)菊澤研宗(慶応義塾大学)

  オーディナリーとダイナミック・ケイパビリティの境界設定問題

 

終了後:懇親会  

昨年の様子

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2017年5月13日 (土)

拙著『組織の不条理』を東芝問題に応用する(現代ビジネス)

  拙著『組織の不条理(中公文庫)』を東芝問題に応用した記事が『現代ビジネス(講談社)』に掲載されました。

菊澤 研宗: 組織の不条理 - 日本軍の失敗に学ぶ (中公文庫 き)

菊澤 研宗: 組織の不条理 - 日本軍の失敗に学ぶ (中公文庫 き)

★現代ビジネス(講談社)

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/51710

『東芝が陥った「ガダルカナル化」現象』

●原子力ビジネスから撤退できない東芝が、ガダルカナル戦で撤退できなかった日本軍と同じような合理的失敗(不条理)メカニズムに陥っていることを説明しました。関心のある方はぜひ一読お願いします。

●現代日本企業の病理のひとつは、「ガダルカナル化」現象だと思います。

2017年5月10日 (水)

働き方改革の不条理

  経済学者によると、今日、日本人は割に合わない労働活動を行っているようだ。つまり、やりすぎ。働いている労働の割には、商品が安い。サービスが安いという。だから、経済学的に割に合わないのである。この傾向は、「おもてなし」という名のもとに隠れているという。

  したがって、割にあうように、労働時間を減らすことが政策となる。あるいは、製品やサービスの価格を上げることが政策になるのだろう。

  しかし、経済学的に割に合う労働を追求すると、人間は不条理に陥ることになる。つまり、経済的に効率的であるが、不正を犯すのだ。

  たとえば、安全性問題の例が分かりやすい。原発事業のように、完全安全性を追求すれば、経済学的にコストが最大化となり、このビジネスはわりに合わないのだ。経済学的にわりに合うようにするには、安全性に関して手抜きをすることになる。手抜きの安全性が経済合理的という不条理に陥ることになる。

 日本人は、これまで経済学的に割に合わないビジネスを行ってきたということは、決して悪いことではないのだ。そこに、日本企業の文化や伝統があるのかもしれない。長時間労働が良いわけではないが、こういった側面も観る必要があるように思える。

菊澤 研宗: 組織の不条理 - 日本軍の失敗に学ぶ (中公文庫 き)

菊澤 研宗: 組織の不条理 - 日本軍の失敗に学ぶ (中公文庫 き)

2017年5月 9日 (火)

人間に関する研究と不条理

  経営学分野で、経営学者が弱い分野は人事労務論である。経営学者は、華やかな分野を好むので、いまは戦略論が一番人気。人事労務論は、地味な分野ということで、この分野の層は薄い。

 こうした状況で、計量経済学者が、労働経済学の名のものに、今日、優れた研究を発展させており、いまはこの分野は経済学の領域になっている。

 しかし、私個人としては、やはり人間にかかわることなので、数値では限界があるように思える。したがって、経営学者もこの分野にもう一度かかわる必要があるように、最近、思う。

 最近、「働き方改革」というスローガンのもとで、いろんなデーターを用いて、経済学者が政策論的議論を展開していて、非常に興味深い。しかし、こういった議論は、大抵、経済人が仮定されており、非経済人としての人間は無視されている。

 たとえば、労働時間を強制的に減らすことは良いことかもしれない。日本人はわりに合わない労働をしているという。こうして、労働時間は削減され、そういった制度に日本企業そして従業員は他律的に従うことになる。

 このとき、人間の自律性が抑制される可能性もある。労働時間とは無関係に、自律的に創造的に働きたい人もいるかもしれない。この非経済人的な側面。これこそ、人間性なのだが、この点は無視されるべきなのであろうか。

 私の研究では、他律的な経済人は、いつかどこかで合理的に失敗する。不正をしてまで効率性を追求したり、全体を無視して個別利益に走ったりすることになる。

 人間の自律性を無視した議論は、危険である。

菊澤 研宗: 組織の不条理 - 日本軍の失敗に学ぶ (中公文庫 き)

菊澤 研宗: 組織の不条理 - 日本軍の失敗に学ぶ (中公文庫 き)

«限定合理性、新制度派経済学、そして行動経済学